【思い出のジャイアンツカップ】2018年 女子選手として史上初の胴上げ投手 大淀ボーイズ・島野愛友利投手
新型コロナウイルス感染拡大で3年ぶりの開催となった中学生の“夏の甲子園”とも言われるジャイアンツカップ。決勝戦は20日に東京ドームで行われます。
1994年から始まったジャイアンツカップには現在プロ野球で活躍する選手が多く出場しています。15日から始まる今年の大会を前に過去にどんな選手が出場していたのか、紹介していきたいと思います。
■2018年 女子選手史上初の胴上げ投手に
この年は大阪の大淀ボーイズが東京の東練馬リトルシニアを下して優勝。胴上げ投手は女子選手の島野愛友利投手と、女子選手として史上初の快挙を達成しました。
大淀の先発は2021年の育成7位として巨人に入団した京本眞投手。得点圏にランナーを背負いながらも6回まで無失点と粘りのピッチングを見せます。大淀は5回と6回に1点ずつを取り、2-0で最終回の7回のマウンドに島野投手を送りました。
しかし、先頭打者にフォアボールを出すと、1アウトから、連打となり、満塁のピンチを迎えます。打席には東練馬の吉川大輝選手。ボールカウント2-2から、インコース高めに投じた球を打ち返されますが、これがピッチャーゴロに。島野投手がすかさずホームへ送球。キャッチャーの岸野桂大選手がファーストに送って、ダブルプレー。大淀ボーイズが初優勝を果たしました。
■想像もしていなかった5日間
現在、島野投手は23年からの活動を目指す巨人の女子硬式野球チームの1期生として活動しています。
中学日本一になったあの夏については「想像もしてなかった出来事が5日間で起きて、日本一になれたので、その経験が今にも生きていますし、野球を続けてきてよかったと思う瞬間でした」と振り返ります。
「中学生ながらに試合前に記者さんにインタビューされることとか、勝ち上がっていくごとにチームにスポットライトが当たるとか、いろんなことが新鮮で」と語った島野投手。「あとは宿舎がすごく楽しかった」と笑顔を見せました。
また、大淀ボーイズで学んだことは今、プロ選手としてやっていくための基礎を作ってくれたと明かしてくれました。「礼儀であったり挨拶とか、今に生きていますが、やっぱり、ただ投げて、打ってだけじゃないことを指導者の皆さんから教えてもらって、工夫することを中学では学びました」
3年ぶりに開催されるジャイアンツカップには島野投手が所属した大淀ボーイズも出場する予定です。大淀ボーイズだけでなく、ジャイアンツカップに出場するすべての後輩へ、島野投手からメッセージをもらいました。「ジャイアンツカップに出るまでにたくさんの練習してきて、そこでも学びがあると思います。本番では勝ち負けよりもそうした『試合を楽しむ』ということを自分で感じてやって欲しいなと思います」