バスケ日本代表の新鋭・河村勇輝 海外メディアも興味津々「アイツは何者だ?」
7月、初冬のオーストラリア・メルボルンで行われたバスケットボールW杯アジア予選。開催国枠ですでにW杯出場権を獲得している日本代表(世界ランキング38位)は、1日にオーストラリア(同3位)、3日に台湾(同69位)と対戦しました。
今回、日本テレビからは2月の北京五輪以来、スポーツ取材で初めて海外へディレクターを派遣。熱戦の様子を現地で取材しました。
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7月3日、オーストラリア戦から中1日で迎えた台湾戦。1日に衝撃デビューを果たした富永啓生選手と同じく21歳の河村勇輝選手が、日本代表として初めてコートに立ちました。
河村選手は、史上最年少(当時)の18歳でB1デビューを果たすと、翌シーズンには新人賞ベストファイブを受賞。パスセンスに長けたポイントガードです。
試合前練習では、テレビカメラ越しでも額の汗が分かるほど熱心にウォーミングアップ。それでも、河村選手のトレードマークでもあるガッチリと固められた髪型が崩れることはありませんでした。その姿は、いまや日本代表にとって欠かせないポイントガードの一人、富樫勇樹選手を彷彿とさせました。
そして、172cmと小柄ながら、日本代表デビュー戦とは思えない存在感を放っていました。会場にいるメディアの中で、唯一の日本人だった私に、海外のカメラマンたちがこぞって「あいつは何者だ?」と尋ねてくるほどです。
試合が始まっても、河村選手の存在感は増すばかり。ひたすらボールを追って撮影しているカメラマン泣かせのノールックパス。何度カメラマンが河村選手の目線に騙されたことか―。
試合は89-49で日本が快勝。河村選手は、チーム最多の8アシストを記録し、富永選手に続く“衝撃デビュー”を飾りました。
試合後のインタビューでアシストについて尋ねると、河村選手は「チーム全員が走ってシュートを決めてくださったお陰なので、チームメートに感謝したいです」とコメント。プレーはもちろん、この謙虚さも今後多くのファンを魅了していくことでしょう。
今後は、12日から始まる「FIBAアジアカップ2022」に出場するホーバスJAPAN。そして8月には強化試合とW杯予選が行われます。来年8月25日に開幕するワールドカップに向け、ホーバスJAPANの快進撃を期待して、取材を続けていこうと思います。
以下、試合後の河村勇輝選手インタビュー
――試合を振り返ってください
オーストラリア戦を終えてから、チーム全員で、この台湾戦はカムバックして勝利を日本の皆さんにお届けしようという気持ちで臨んだゲームだったので、こういう結果で終われてすごく良かったです。
――代表デビュー戦・日の丸をつけてのプレー、思い入れはありましたか?
これまで自分がずっと目標に掲げてきた「日本代表のポイントガードになる」ということをここで達成することができて、本当にコートに立った瞬間はすごく嬉しかったですけど、すぐに自分がやるべきことにフォーカスしてゲームに入りました。
――チームトップの8アシストについては?
チーム全員が走ったり、シュートを決めてくださったお陰でのアシストなので本当にチームメートに感謝したいです。
――来年のW杯に向けて戦いは続いていきます。今後に向けて一言お願いします。
この経験をしっかりと生かして、まずはBリーグでたくさんの試合、ゲームを経験しながら、まずはW杯でメンバーに入れるようにしっかりアピールしていきたいです。