【なぜ】給食から消えた「もやし」 給食センターではキャベツで代用 物価の優等生が危機に 福岡
安定した価格から「物価の優等生」とも言われる、もやしに異変が起きています。学校の給食からもやしが消える。現場ではどういうことが起きているのでしょうか。
野菜炒めやちゃんぽんなど、安くてシャキシャキ食感がたまらない家計の味方のもやし。ところが、そのもやしに異変が起きています。福岡市博多区にある第1給食センターを訪ねました。
■福岡市教育委員会・野原健さん
「一日に1万3000食の給食を作っています。」
福岡市内に3か所ある給食センターでは、市立の中学校など69校、全体でおよそ12万食の給食を作っています。ここで9月、ある問題が起こりました。
■野原さん
「9月18日に、学校給食にもやしを納入されている事業者の方から、2日後の9月20日でもやしの納入を終了するという連絡が入りました。」
市内で唯一、学校給食にもやしを納入している業者が突然、廃業しました。給食から「もやし」が消えました。
■野原さん
「突然の話で、非常にびっくりしています。急な話でしたので、10月のもやしの調達は間に合わないので、もやしの代わりにキャベツを入れたり、野菜の総量や栄養価はできるだけ変わらないように、いろいろ工夫をさせていただいています。」
いま、「もやし生産者」の廃業が増えています。もやし生産者協会によりますと、2009年に250社近くあった「もやし生産者」は現在、95社に減少しています。その理由は、原料として中国から輸入する緑豆の価格がここ20年で4倍以上に高騰していて、一方でスーパーマーケットで安売り競争が激化し、利益が上がらないことも背景にあるといいます。
■野原さん
「福岡市内にはもう業者さんがいらっしゃらないので、福岡県内、もしくは大分県とか県外の業者さん含めて複数の業者さんと協議をしているところです。」
給食から「もやし」が消える。『物価の優等生』はかつてない危機に面しています。