イタイイタイ病の要観察者が死去 患者・要観察者ともに存命者0人に
神通川流域で発生した公害病、イタイイタイ病に進行するおそれがあるとして県が判定した要観察者が、先週、亡くなっていたことが分かりました。
これで、患者、要観察者ともに存命者はいなくなりました。
イタイイタイ病の患者と、将来、患者になることを否定できない要観察者は、県が開く公害健康被害認定審査会で判断しています。
2023年7月の認定審査会では、富山市婦中町の当時94歳の女性を345人目の要観察者と判定しました。
女性はカドミウムによる慢性腎不全と診断され、自宅で透析治療をしていましたが先月体調を崩して入院し、療養を続けていましたが先週亡くなりました。
95歳でした。
これでイタイイタイ病の要観察者は存命者がいなくなりました。
また、認定患者も去年8月に亡くなったため、存命者がいません。
県による認定制度は1967年から始まり、患者は201人が認定され、要観察者として345人が判定されました。
ともに存命者がいなくなるのは初めてです。
患者と要観察者がいなくなりましたが、イタイイタイ病は終わったわけではありません。
今後も患者になる恐れは残っていますし、再発防止策も続いています。