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園児切りつけ事件受け報告書を下鶴市長に提出…事件前日までに園児ケガなど22件発生も対策講じず

2025年3月24日 10:38
園児切りつけ事件受け報告書を下鶴市長に提出…事件前日までに園児ケガなど22件発生も対策講じず
 去年6月、鹿児島市の認定こども園で保育士の女が園児の首を切りつけた事件を受け、市が設置した第三者委員会が下鶴市長へ再発防止に向けた報告書を提出しました。報告書では去年4月から事件前日までの間に、園児がケガするなどの事案が22件発生していたにも関わらず、対策が行われていなかったことが明らかになりました。

 この事件は去年6月、鹿児島市の認定こども園で当時保育士だった笹山なつき被告が園児の首を切りつけたとして、殺人未遂の罪で起訴されたものです。笹山被告は別の園児に対する傷害の罪でも起訴されています。

 事件を受け、鹿児島市は弁護士や学識経験者などからなる第三者委員会を設置。職員からの聞き取りなどをもとに報告書をとりまとめ、24日、下鶴市長に提出しました。

(下鶴市長)
「このような人間が保育そして教育の現場に携わることがないように何より子どもたちの安全をしっかりと確保できるようこの報告書提言を踏まえさらに取り組んでまいりたい」

 報告書では去年4月から6月までの間に、被害を受けた園児のクラスでは園児がケガするなどの事案が22件発生していたことが明らかになりました。

 他のクラスよりも突出した件数にも関わらず、園では情報共有にとどまり、防止策がとられていませんでした。

 報告書では、「日々の保育の中での現場の違和感に対し、保育従事者同士や管理職と情報を共有し、原因を究明する必要がある」と提言しています。

 また、笹山被告の健康状態への把握が十分に行われていなかったことや、急な欠勤、遅刻や早退などの勤務状況に対する特段の対応がとられていなかったことを指摘。

 保育従事者と園が積極的にコミュニケーションをとれる環境づくりや、メンタルヘルスケアに取り組むことの重要性が提言されました。

(第三者委員会・松元理恵子委員長)
「一番安心安全な教育保育の施設において今回のような事案が二度と発生しないように実効性のある再発防止策を検討しないとという思いで取り組ませていただきました」

 報告書は、市内の保育施設にも共有するとしています。
最終更新日:2025年3月24日 10:38
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