西日本豪雨で浸水…住宅エリアが復興公園「どすこいパーク」に 住民たちが込める願い
西日本豪雨から5年8か月…この場所で暮らしていた夢望さんは
今回完成したどすこいパーク、このエリアには豪雨前およそ20軒の家がありました。そのうちの1軒には、家族と暮らしていた女の子がいます。
越智夢望さん。夢望さんの自宅はかつて、肱川沿いのこの場所にありました。
2018年7月の西日本豪雨。豪雨後、ドローンで野村町を撮影した時の映像です。野村町中心部を流れる肱川が氾濫、画面右側の、ここが夢望さんの家です。
自宅は2階の天井近くまで水に浸かりました。
母・裕美さん:
「片付けだけして。あとは何も考えられないです」
当時小学5年生だった夢望さん、一家4人は無事でしたが、家には住めなくなり、学校の体育館、仮設住宅での生活を余儀なくされました。
【2018年9月】
思い出が詰まった家の中は…からっぽに。
母・裕美さん:
「住めないだろうな~子ども達に落書きでもさせようかな。壊す前に」
「7月7日。何もなくなりましたね」
また、被害に遭うかもしれない…越智さん一家は、住み慣れたこの場所には戻らないことを決めました。
解体前、家の壁に思い出を描いていきます。ここに確かにあった日常。
兄:「時計?」
夢望さん:「いけん?」
兄:「いやいいよ」
夢望さん:「これだってみんなが出た時間やもん」
夢望さんが描いたのは1番好きな青色の、ひまわり。
時計はあの日、この家から避難した6時20分を指していました。
【2018年11月】
豪雨から4か月後、家の解体工事が始まり、肱川沿いにあった家は無くなりました。
母:「今年は、家族みんなが元気ならいいね」
【2021年6月】
越智さん一家は、およそ3年の仮設住宅での生活の後、川から離れた高台に新居を建て新たな生活を始めました。
新居での生活にワクワクする一方で、この時、夢望さんは以前の家についてこんな思いを語っていました。
夢望さん:
「自分が生まれ育った家が無くなって悲しかった。悲しい顔してるよりは笑顔の方が楽しいし、寂しいような気持ちでおるよりかは元気で遊んでた方が絶対に楽しい」