【独自解説】 「副業したい」につけ込む新手口“タスク詐欺” 簡単な作業で数百万円の報酬がもらえるはずが、逆に高額な“違約金”を支払うことに…巧妙な『フット・イン・ザ・ドア・テクニック』とは?

人々の「副業をしてみたい」という気持ちにつけ込み、簡単なタスク(作業)をして報酬がもらえると勧誘して、SNSの投稿に「いいね」を押すことや動画を視聴するなどの副業をさせ、違約金などの名目でお金をだまし取る「タスク詐欺」というものが増えているといいます。特殊詐欺に詳しいジャーナリストの多田文明氏が解説します。
■簡単な作業で数百万円の報酬のはずが、待っていたのは多額の“違約金”
ことし5月、島根・益田市で40代の女性が「1日に5000円から5万円稼げる」というSNS広告をクリックしたところ、「動画のスクリーンショットを撮って送ると、数百万円の報酬がもらえる」という1つ目のタスクが送られてきました。
Q.なんでスクリーンショットでお金がもらえるのでしょうか?
(ジャーナリスト・多田文明氏)
「これは詐欺グループの巧妙な手口です。最初に少しのお金を渡して、信用させて大きなお金を取るというもので、作り上げられたものです」
そして、チャットアプリをダウンロードしたところ、“アヤカ”という人物とやりとりが始まりました。そしてアヤカから、2つ目のタスクとして「指定口座にお金を振り込むと、報酬として振り込んだ金額に30%上乗せしてあげますよ」と言われたそうです。指定された口座にお金を振り込むと、実際に報酬は振り込まれ、40代の女性はアヤカのことを信用するようになったといいます。
その後、女性はこのアヤカから「2つのタスクを失敗したので5倍の金額を支払う必要がある」と違約金を要求され、5月31日~6月11日にかけて7回、約366万円を入金してしまいました。しかし、報酬は支払われず。さらなる要求を受けたといいます。
Q.「タスク失敗で5倍払う契約」はしていないのに、冷静にはなれないものでしょうか?
(多田氏)
「いろんなケースがありますが、グループでやらされているケースもあって、一人の失敗でみんなに連帯責任が掛かると思わせて、違約金を支払わせるようにすることもあります」