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【独自解説】 「副業したい」につけ込む新手口“タスク詐欺” 簡単な作業で数百万円の報酬がもらえるはずが、逆に高額な“違約金”を支払うことに…巧妙な『フット・イン・ザ・ドア・テクニック』とは?

2024年8月30日 17:30
【独自解説】 「副業したい」につけ込む新手口“タスク詐欺” 簡単な作業で数百万円の報酬がもらえるはずが、逆に高額な“違約金”を支払うことに…巧妙な『フット・イン・ザ・ドア・テクニック』とは?
「簡単な作業でお金がもらえる」と誘うタスク詐欺

 人々の「副業をしてみたい」という気持ちにつけ込み、簡単なタスク(作業)をして報酬がもらえると勧誘して、SNSの投稿に「いいね」を押すことや動画を視聴するなどの副業をさせ、違約金などの名目でお金をだまし取る「タスク詐欺」というものが増えているといいます。特殊詐欺に詳しいジャーナリストの多田文明氏が解説します。

■簡単な作業で数百万円の報酬のはずが、待っていたのは多額の“違約金”

 ことし5月、島根・益田市で40代の女性が「1日に5000円から5万円稼げる」というSNS広告をクリックしたところ、「動画のスクリーンショットを撮って送ると、数百万円の報酬がもらえる」という1つ目のタスクが送られてきました。

Q.なんでスクリーンショットでお金がもらえるのでしょうか?
(ジャーナリスト・多田文明氏)
「これは詐欺グループの巧妙な手口です。最初に少しのお金を渡して、信用させて大きなお金を取るというもので、作り上げられたものです」

 そして、チャットアプリをダウンロードしたところ、“アヤカ”という人物とやりとりが始まりました。そしてアヤカから、2つ目のタスクとして「指定口座にお金を振り込むと、報酬として振り込んだ金額に30%上乗せしてあげますよ」と言われたそうです。指定された口座にお金を振り込むと、実際に報酬は振り込まれ、40代の女性はアヤカのことを信用するようになったといいます。

 その後、女性はこのアヤカから「2つのタスクを失敗したので5倍の金額を支払う必要がある」と違約金を要求され、5月31日~6月11日にかけて7回、約366万円を入金してしまいました。しかし、報酬は支払われず。さらなる要求を受けたといいます。

Q.「タスク失敗で5倍払う契約」はしていないのに、冷静にはなれないものでしょうか?
(多田氏)
「いろんなケースがありますが、グループでやらされているケースもあって、一人の失敗でみんなに連帯責任が掛かると思わせて、違約金を支払わせるようにすることもあります」

■「YouTubeのナオミです」多田氏の元にかかってきた1本の電話―直撃取材を続けると…

 7月初旬、多田氏の元にYouTubeのナオミを名乗る外国人女性から「YouTubeの動画を見て報酬を得られる仕事を紹介しています」といきなり非通知で電話が掛かって来たということです。

 取材ということで、話を続けてみると―。

(多田氏)
「電話番号教えて」
(ナオミを名乗る外国人女性)
「電話番号ありません」
(多田氏)
「非通知電話だから番号あるでしょ?住所は?」
(ナオミ)
「LINEでかけている。YouTubeの住所 日本」

 と、片言の日本語でかみ合わないやりとりが続いたということです。

 多田氏の“見立て”によると、「ターゲットはお金を持たない若者で、まずは簡単な副業を持ち掛け、最終的には“暗号資産”を勧めて購入させるケースも多い」ということです。

 「この手口は、『フット・イン・ザ・ドア・テクニック』といい、まずは小さな要求からスタートし段階的に要求レベルを上げていく交渉術」だということです。

Q.暗号資産は、実際に買うのですか?それとも買ったふりをするだけでしょうか?
(多田氏)
「本人を投資的なものに誘導することが多いように思います。“見せかけのシステム上”で利益が増えていて、儲かるものだと信用させる手口が多く、騙されてお金を支払ってしまう人が多い」

(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年8月21日放送)