がん闘病・桑野信義インタビュー 盟友・鈴木雅之からの言葉に「一番の薬になりました」
桑野さんは、ステージ3~4の大腸がんと診断されたことを自身のブログで公表。2021年2月には、約15時間におよぶ手術を受け、がんと転移していたリンパ節を切除しました。書籍『がんばろうとしない生き方 大腸がんになって見つけた笑顔でいる秘訣』では、闘病生活のほか、ステージ復帰までの苦労などもつづられています。
■トランペットが導いてくれた出会い
――桑野さんにとってのトランペットは?
幼い時から一緒にあるアイテムなんで、トランペットがないと落ち着かないんです。トランペッターの父親がいてトランペットを始めて、それで『シャネルズ』に鈴木雅之さんに誘われて、そして芸能界で志村けんさんともお付き合いできるようになったっていうことやっぱり全部トランペットがありました。でも退院してトランペットを吹こうとしても、全く音が鳴らなくて、全然おなかに力は入らないし、でもこれじゃダメだって必死になってやりました。
■支えとなった鈴木雅之さんの言葉
桑野さんは2021年7月、鈴木雅之さんのデビュー40周年記念コンサートツアーの大阪公演でステージ復帰を果たしました。その復帰を後押ししてくれたのが鈴木さんだったといいます。
――鈴木さんはどんな存在ですか?
地元の先輩なんだけど、幼なじみで幼稚園、小学校、中学校とずっと一緒で僕にとってはひとりっ子なんで頼りになる兄貴、時にはおやじって感じですね。コンサートに俺がもし出られなくなったらっていう気持ちを伝えたら「とにかく病気を治すことだから、俺たちはずっと待ってるから。もしお前が最初から出られなくても、俺たちが先に温めておくからステージを。だからお前はとりあえずお前なりに踏ん張れ。いつまでも待ってるよ」と言ってくれて、その言葉が一番の薬でした。
――ステージ復帰もされましたが、新たな目標は?
闘病してて自分でわかったんだけど、いくら頑張ろうとしたってなるようにしかならないんです。いくら頑張ったって痛みは取れないし、つらさは取れないんです。そこでいい意味で開き直りました。頑張ろうってしなくなってから楽になったんです。ただ絶対に目標や夢を諦めちゃいけないって思います。やっぱり音楽を聴いて「いいね」って喜んでくれたり、面白いことを言って笑ってくれたり、人が喜んでくれることが大好きなんです。そういうことを健康になって恩返ししていこうかなって思ってます。今一番の夢は、乃木坂46に入ってセンターを取ることです(笑)