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新海誠 “災害”テーマに映画を作るワケ「悲しい出来事があったとしても笑いながら成長できる」

2023年2月25日 22:45
新海誠 “災害”テーマに映画を作るワケ「悲しい出来事があったとしても笑いながら成長できる」
ドイツ・ベルリンでファンと交流する新海誠監督
世界三大映画祭の一つ・ベルリン国際映画祭に参加している新海誠監督が現地時間24日、現地のファンを招いたイベントに登場。災害をテーマに映画を制作するワケを語りました。

日本アニメーションとしては『千と千尋の神隠し』以来21年ぶりにコンペティション部門に正式出品された新海監督の最新作『すずめの戸締まり』(全国公開中/配給:東宝)。映画は日本各地の廃墟を舞台に、災いの元となる“扉”を閉めていく少女・すずめ(声:原菜乃華さん)が、扉を閉める旅を続ける“閉じ師”の青年・草太(声:SixTONES・松村北斗さん)とともに冒険を通して成長していく物語です。公開から105日間で、観客動員1041万人、興行収入138億円を突破し、世界199の国と地域で配給が決定しています。

■どんなことが起きても笑いながら成長していくことができる

2011年の東日本大震災をベースにしたファンタジー作品となっている今作。新海監督は、ファンから“描きたかったこと”について聞かれると「トルコ・シリアでも大きな地震がありました。一刻も早く被災したトルコやシリアの方が復興することを願っていますが、それは簡単なことではありません」と、今月発生したトルコ南部を震源とした地震に触れ、「ただ、どんなに悲しい出来事があったとしても、どんなに大きな災害があったとしても、人はそのあと笑いながら生きていくことができると思うんです。(主人公の)すずめのようにどんなに悲しい出来事に出会ったとしても、すてきな人と巡りあったり、不思議な出来事と巡りあったりして、笑いながら成長していくことができる。そういう映画にしたくて、僕はこの映画を楽しいファンタジー映画として描きました」と語りました。

■災害を描くワケ「映画の中で描こうと決めたわけではない」

また『君の名は。』ではいん石、『天気の子』では水害、『すずめの戸締まり』では地震をテーマにするなど、災害を描き続けてきた新海監督。ファンから「災害というものを自ら追い求めているのか?」と聞かれると「自然災害を映画の中で描こうと決めたわけではないんです」と語り「ただこの10年、映画の脚本を書いていると、自然災害の方から脚本の中に入ってきてしまう、そういう感覚があります。日本での生活が、もしかしたら世界での生活がいまは災害と隣り合っているからだと思う。僕たちの生活が災害に取り囲まれてるから映画の中にまで入ってきてしまうんだと、そんな風に感じています」と明かしました。

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