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歌舞伎俳優・市川猿之助、冠公演を休演 語っていた歌舞伎への思い

2023年5月18日 16:30
歌舞伎俳優・市川猿之助、冠公演を休演 語っていた歌舞伎への思い
市川猿之助さん
歌舞伎俳優の市川猿之助さん(47)が主演する舞台『市川猿之助奮闘歌舞伎公演』。18日夜の部は、一部配役を変更し、上演することが発表されました。

明治座の公式サイトによると、猿之助さんが演じる予定だった役、相馬太郎良門・女童熨斗美・小姓澤瀉・番新八重里・太鼓持彦平・傾城薄雲・実は土蜘蛛の精は、同公演に別の役で出演している、歌舞伎俳優の中村隼人さん(29)が演じるといいます。

また、19日の昼の部は中止、夜の部以降の公演については未定だということです。

猿之助さんは、1980年7月歌舞伎座『義経千本桜』の安徳帝役で初お目見え。1983年7月歌舞伎座『御目見得太功記』で、二代目市川亀治郎を名乗り初舞台を踏みました。

その後、若手歌舞伎役者の登竜門と言われる『新春浅草歌舞伎』に度々出演。2004年1月に行われたイベントでは「嫌なことが続く世相であっても、どうか芝居を見ている間だけは、楽しい気分になってほしい。寝て、夢を見るところがベッドルームなら、劇場は、起きたまま夢を見るところでございます。我々も一生懸命夢を見ていただきたいと思って、一生懸命やります」と笑顔を見せました。

2011年、猿之助の襲名を発表した際には「僕の人生計画の中では“市川亀治郎一生変えません襲名しません”興行をやるつもりだったんです。猿之助という名前は僕の中では神様に等しいような憧れの名前ということはありますけども、憧れ=それになりたいということではないですね、あまりにも憧れすぎて」と明かし、「しかしながら僕も好き放題やりたい放題日頃やって、叔父には何一つ恩返しをしてませんから、“継いでほしい”と言われたなら継がせいただきますというのが一つの恩返しになればいいなという思いで(襲名を)受けました。でも一番の念頭にあるのは、個人ではなく歌舞伎というものを末永く守りたいと。そのための襲名だということは僕の中では変わりません」と歌舞伎への思いを語りました。

2014年には、『十一月花形歌舞伎』で宙乗り600回を達成。会見では「こんなに早く(600回を)迎えさせていただくとは思わなかったです」と語り、「一回目は叔父の猿翁とそして菊五郎のおじさんと3人で宙乗りを歌舞伎座でやらせていただいた。それがもううれしくてうれしくて。たぶんそれが花道の上の宙乗りは第一回目だったと思いますね」と振り返りました。

さらに、2023年5月には自身のインスタグラムで宙乗り1400回を報告し「安全に飛行するために、多くのスタッフさん、お弟子さんの、なかなか見えない支えがあります。そして、それを見守ってくれるファンの皆さん。ありがとうございます。観に来て下さったお客様に幸せが訪れますようにとの希い(こいねがい)をこめて、これからも翔び続けますので、よろしくお願いします!」とコメントしました。

歌舞伎では、『スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース』や、『新作歌舞伎 NARUTO -ナルト-』などにも挑戦。歌舞伎だけにとどまらず、映画『ザ・マジックアワー』(三谷幸喜監督)や、映画『超高速!参勤交代』シリーズ(本木克英監督)など、コミカルな映画にも出演し、バラエティー番組やCMなどでも活躍の幅を広げています。

また2024年2月から上演が予定されている、歌舞伎の伝統的な演出と現代の感覚や技術を合わせたスーパー歌舞伎Ⅱ『鬼滅の刃』への出演と、総合演出を務めることが発表されています。