バーガー店打撃…日銀「国債買い入れ減額」で “歴史的円安”に歯止め?
飲食店が仕入れる具材の高騰など、歴史的な円安が各所に影を落としている中、日銀が新たな方針を決定。これまで世の中に多くのお金を供給する政策を続けてきましたが、これを転換し、長期国債の買い入れを減額します。この影響について専門家に聞きました。
14日夜、東京・台東区にあるアメリカ産牛肉100%がウリのハンバーガー店を取材しました。
ハンバーガー店 店主
「一番はこのお肉ですね。ポテトも値上がりしてます。全部ですね、チーズ
もそうですし」
円安などにより、メイン食材のアメリカ産牛肉は、オープン当初の3年前よりも約30%値上がりしました。既に価格も改定したといいますが、さらに今検討していることがあるといいます。
「お肉の産地を変えようかなと。アメリカ産からオーストラリア産に切り替える(か検討中)。これ以上値上げはしたくないですし。かといってこだわりも捨てたくないんで…」
歴史的な円安が大きな打撃を与えている中、日本銀行が新たな方針を打ち出しました。
植田和男総裁
「国債の買い入れは減額していくことが適切と考えています」
長期国債の買い入れ額を減らす方針が決まりました。これまで日銀は約 11 年にわたり、銀行などから国債を大量に購入する政策を続けてきました。世の中に多くのお金が出回ることで、経済の活性化につながることを狙っていました。今後は、日銀が国債の購入量を減らすため、理論上は金利が上昇しやすくなる可能性があります。
経済政策に詳しい三井住友 DS アセットマネジメントの市川雅浩氏は、この日銀の方針により「ゆっくり円高に進むのでは」と指摘します。
市川雅浩氏
「金利を調整して上げていくのは円高方向の材料ですので、ちょっと円高に戻るのではないか。歩幅はゆっくりかもしれませんけど、金利は上がってきますので、家計であれば、住宅ローンの金利がじわじわと上がってくる感じですかね」
長期金利が上昇し、円安に歯止めがかかるのでしょうか?
植田総裁は、国債買い入れの減額の規模感について「相応の規模になる」としています。
※6月15日(土)午前0時5分(金曜深夜)放送『news zero』より