あえての「値下げ」…狙いは「夏休みの子連れ客」「女性客」 8月も値上げラッシュ
8月になっても止まらない値上げの波。それでも「今だからこそ」と、値下げに踏み切る飲食店やスーパーなどがあります。その値下げの狙いとは…。
■止まらぬ値上げの波
都内のスーパーでは、原材料の高騰などから止まらない値上げの波に悩む人たちの姿がありました。
買い物客(30代)
「また値上がりするって話もあるので、あんまり買いすぎないように気をつけて」
買い物客(30代)
「値上げはいっぱいありすぎて」
はごろもフーズは8月1日の出荷分から、シーチキンマイルド70gなどを25円値上げ。理研ビタミンは、この日の納品分から、「ノンオイル青じそ」などを、キッコーマン食品は、「うちのごはん すきやき肉豆腐」を値上げ。さらに、キリンビバレッジは、「トロピカーナ100%オレンジ」の900mlを、90円も値上げします。
<値上げになった主な品>
●「シーチキンマイルド70g」など 参考小売価格:210円・税別(25円値上げ)
●「リケンのノンオイル青じそ190ml」など 参考小売価格:246円・税別(26円値上げ)
●「うちのごはん おそうざいの素 すきやき肉豆腐」 希望小売価格:220円・税別(20円値上げ)
●「トロピカーナ100% まるごと果実感オレンジ900ml」 メーカー希望小売価格:350円・税別(90円値上げ)
帝国データバンクは、8月、値上げする飲食料品は1102品目にのぼると発表しました。
■値上げの荒波にあえて「逆行」
そんな中、東京・中央区の「東武ストア 晴海三丁目店」では1日から、あえて値上げの荒波に“逆行”するキャンペーンを敢行するといいます。
東武ストア取締役 常務執行役員・浦野浩治郎さん
「168品目を最大30%で値下げします」
例えば、前日まで税別299円だったドレッシングは、この日から「(税別)258円にさらに値下げさせていただくと」といい、41円の値下げになります。また、冷凍パスタは、この日から50円の値下げになるといいます。
仕入れ値が軒並みあがる中、なぜ値下げに踏み切るのか。
東武ストア・浦野さん
「(お客さんは)もう一品買いたいんだけど“ここは我慢しておこうかな”と、節約意識が強くなっていると」
「少しでも買っていただけるように最大限の努力をしました」
以前はお客さん1人あたり“平均8個ほど”の商品を購入していたといいますが、物価高の影響で今は“7個”に減少。この「1個分の売り上げ」を取り戻そうと、値下げキャンペーンを決めたのです。
■夏休み中「1日3食」作るのは…家族を応援
“あえての割引”は、牛丼チェーン店でも。7月31日からの1か月間、小学生以下の子どもに限って、牛丼などが80円安くなったというのです。
夏休み中という小学生2人が注文したのは、牛丼です。
小学生の母親
「(80円引きで)ラッキーと思って。よかったね、来てね」
「80円引き」は、カレーやお子様メニューなど60品目が対象(※お子様セットはおもちゃ付き)。夏休み中、1日3食作るのが大変だという家族を応援しつつ、子ども連れを集客する狙いがあるということです。
吉野家企画本部・伊藤光伸部長
「お子様(割)の販売数は2割ぐらいお客様が伸びるのかなと(いう見込み)」
■ファミマは「40%増量作戦」で実質値下げ
さらに、コンビニ大手・ファミリーマートが1日から全国で行うのは、その名も「40%増量作戦」。お値段はそのままで、内容量を40%アップするという、つまり“実質的な値下げ”を行うというのです。
あのファミチキもビッグサイズに(※8日発売)。およそ3週間にわたって全16種類の商品が“実質値下げ”となるこのキャンペーンを行うといいます。
ファミリーマート 商品本部商品企画部・阿部大地さん
「元々増量というと男性のお客様から支持が多い企画となっておりますが、女性のお客様にも楽しんでもらえるラインアップになっています」
たとえば、ローストチキンをトッピングしたパスタサラダ。通常サイズと比べると、40%増量商品は、麺が隠れるほどたっぷりとチキンが盛られていました。(※15日発売・ローストチキンのパスタサラダ:338円)
女性に人気のデザートやパスタサラダなどを“実質値下げ”することで、新たに女性客を取り込む狙いがあるということです。