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TPP交渉初参加へ 民間の声で政府後押し

2013年7月13日 22:35
TPP交渉初参加へ 民間の声で政府後押し

 日本が初めて正式に参加する、TPP(=環太平洋経済連携協定)の交渉会合が、15日からマレーシアで開かれる。交渉会合を前に、現場の生の声をどう政府に届けるのか、業界団体も動き始めた。

 先月17日、東京・霞ヶ関に工業や農業、小売りなどさまざまな分野の約130に及ぶ業界団体が集まった。この会議は政府がTPP交渉について各業界団体から意見を聞くために開かれた。

 TPP政府対策本部・石井喜三郎内閣審議官(当時)は「団体としてまとめた形で(意見を)頂戴したい、それらの情報が我が国、交渉力のひとつひとつの礎となっていく」と述べ、現場の生の声を集め、政府の交渉を後押ししてほしいと呼びかけた。

 一方、民間からは政府へ情報提供を求める声も出た。

 JA全中・小林寛史農政部長「交渉過程の透明性ですね。国民全体にきちんと情報が伝わるように」

 TPPは関税の原則撤廃などを目指してアメリカやオーストラリアなど11か国が交渉している。そして第18回の交渉会合が15日から25日まで、マレーシアで開かれる。この会合の終盤、23日から初めて参加することになる日本。いよいよ本格的な交渉に臨む。

 そして今月4日、政府の交渉に向け、経済界も動き始めていた。経団連が自動車や電機などTPPに関心の高い企業約30社でプロジェクトチームを立ち上げた。これまでの通商交渉でも政府に提言してきた経団連だが、プロジェクトチームを立ち上げたのは初めてだという。

 初会合のこの日は、ニュージーランド政府で以前、TPP首席交渉官を務めたシンクレア特命全権大使を招き、これまでのTPP交渉の経緯などについて情報を集めたとみられる。

 しかし、各社の利益に関わるとして、会議の核心部分は非公開になった。経団連は加盟する企業などにアンケートを実施。自動車や家電など、日本が得意とする分野で関税の引き下げについて意見が多く出たという。

 経団連・金原主幸国際経済本部長「(日本は)TPP交渉全体の中では、農業をはじめ、守りたいものがある。守るものを守るためにも、やっぱり攻める玉をよりたくさん具体的に持つ」

 経団連は、ライバル企業や国との間の競争条件などについて、公平な環境を整えてほしいと訴える。

 日本が初めて迎えるTPPの交渉。現場の声が交渉を後押しする力となる。