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経済
2016年6月16日 17:28

カルビー会長、夢実現のシンプル思考3/5

カルビー会長、夢実現のシンプル思考3/5
(c)NNN

 カルビー代表取締役会長兼CEOの松本晃氏に聞く「飛躍のアルゴリズム」。3つ目のキーワードは「売り場の移動でたちまち“爆発的な大ヒット”歩いて発見した『グラム3円の法則』」。そのヒットの要因に迫る。


■カルビーの大ヒット商品

――爆発的な大ヒットとは、何のことなのでしょうか?

 これは“フルーツグラノーラ”、カルビーでは“フルグラ”と申しています。まあ、シリアルの一種なんですが、グラノーラを使って、それにフルーツを入れたと。私はこれが、カルビーのなかで一番おいしい商品だと思っています。

 ところが、これは1991年に開発なので今年で25年。しかし最初の20年間は、ほとんど横ばいだったんです。でも、これはちょっと工夫すれば、この商品は絶対売れると信じていました。信じていたらやるしかないと。今は、6~7年前に比べると約10倍の売り上げで、今も成長しています。


■大ヒットの要因は

――そのきっかけとなった出来事はなんでしょうか?

 こういう商品は、必ずしもテレビのコマーシャルだけではダメなんです。上手に売る工夫をした訳です。

 1つ目は、“フルーツグラノーラ”は名前が長すぎる。短くしろと。日本はみんな短いのが好きです。ハンバーガー屋さんでも名前が短いです。“フルーツグラノーラ”を“フルグラ”にしたんです。

 2つ目は、若い女性を対象にして、若い女性は朝、時間がないから、これをうまく使おうと“時短”で勝負したんです。“フルグラ”は10分で食べられる。パンだったら20分くらいかかる。ご飯で準備していたら、40分くらいかかります。フルグラだったらバナナ1本追加したとしても10分でいけます。

 3つ目は、“食物繊維”と“鉄分”が豊富なんです。女性は貧血の方が多い。だから鉄分ですと。さらに、これは男性、女性に限らず、便通の悪い人が結構多いんですよね。したがって、食物繊維をとれば便通が良くなります。

 さらに、何をやったかというと、“減塩”というのをやっているんです。日本食の朝ごはんはおいしいけれども、ご飯は別としまして、みそ汁、お漬け物、焼き魚、つくだ煮、みんな塩分なんです。朝は、塩分をとるのを控えましょうと。その点、フルグラは塩分が本当に少ないから良いですよ。そうすると、血圧の問題も解決されるんじゃないかと、糖尿の方も安心して食べられますよ。


■「グラム3円の法則」とは?

――「グラム3円の法則」というのは、どういったことなんでしょう。

 これは、私が伊藤忠商事に入ったときから、いつもそんな考え方なんですが、例えば機械だったら、これは1トンいくらなのかとかね。そういう考え方があって、この業界に入ってみて考えてみたら、ほとんどの商品1グラムいくらなんだろうと。そうやって調べていたら、1グラム3円を超えると、途端に売れない。そうすると、1グラムを3円以下にしないとダメだと。高くても3円だと。

 だから、新しい商品を作っても、いつもこの商品はグラムいくらなんだろうと。お客さんは非常に賢いですから、いちいち見なくても感覚でよく分かっているんですよ。こういうのは、ひとつのやり方だと思う。ちょっとしたテクニックだと思いますね。そういう見方をいつもすれば、この商品は大体グラムどのくらいなんだと。これは、お菓子に限らず何でもそうだと思いますね。


■この法則からはずれると…

――このグラム3円を超えているものはあるのですか?

 あります。ベジップスがグラム3円を超えています。そうするとおいしいのですが、どうしても売り上げが伸びない。

――超えるものには、付加価値が必要だと思うのですが…

 そうなんですが、スーパーマーケットで買えるお菓子では、やはり1グラム3円というのが、ひとつの上限に近いものだと思います。それ以上高いものは、チョコレートとかありますけど、それは違ったジャンルのものと考えたほうがいいと思いますね。

――それでは、やはりこの法則を大事にしているということなんですね。

 そうですね。この商品は一体、グラム何円なんだろうと、ポテトチップスだったらグラムいくらぐらいじゃないとダメなんだと、だいたいいつもそうやって考えていますね。