カルビー会長、夢実現のシンプル思考4/5
カルビー代表取締役会長兼CEOの松本晃氏に聞く「飛躍のアルゴリズム」。4つ目のキーワードは「ゴルフや会食を排除。儲(もう)けることに貪欲になれないトップでは企業は伸びない」。
スナック菓子市場を席巻するカルビーを支える“柱”について話を伺った。
■接待はやらない
――「排除」とありますが、松本会長はゴルフや会食はされないんですか?
ゴルフは個人的にはやりますけども、会社の仕事や付き合い、接待ではやりません。私は外資系に勤めていましたが、外資系の会社というのは意外とそういうのにうるさいんですね。特に医療関係の仕事をやっていましたから、大学の先生やお医者さんを接待するとか、今できないですよね。ゴルフも夜の会食なども接待としてはほとんどやらないです。ゴルフは接待では全くやりません。
■「3つめの柱」の構想は
――スナック菓子やシリアルが大ヒットしていますが、それに次ぐ「3つめの柱」など考えていらっしゃるものがあれば教えていただけませんでしょうか?
実は今、一生懸命考えているんですね。まだ無いです。カルビーはスナックが1つの大きな柱、これが1本目の柱です。今、2本目の柱になりつつあるのが、フルグラを中心にした成長中のシリアル。私は「朝食」と言っているんですけどね。「朝食革命」と言って、朝食絡みのものを2つめの柱にしようと思っているわけです。そして3つめの柱、これを考えるのが楽しくて仕方がないですね。
■注目の市場は?
――何か注目されている業界はありますか?やはり食品業界になるんでしょうか?
カルビーは所詮「スナック屋さん」ですから、その「スナック屋さん」がゴルフ場をやったってうまくいかない。したがって、全く違った職種はやりません。だから、カルビーが戦う市場は、基本的には一番広げても食品。それ以上はやっぱり素人が出かけていってもうまくいかないですね。
――全く別の分野へは飛び込まないということですね。
まあ、めったにそんなことは無いと思いますね。
――注目されている市場というのはあるんでしょうか?
1つは食品をベースにして「ヘルス」、健康ですね。それと、可能性があるとすれば「ビューティー」です。
――ヘルス志向とビューティー志向は本当に年々高まっていますよね。
そうですね。ところが、どの仕事をやりましても、本当に競争が激しいですよ。だから、素人が出かけていってうまくいくという事はめったに無い。よっぽど知恵を使わないとダメでしょうね。