KDDI通信障害で“補償”どうなる?――ITジャーナリスト「料金の一部返還が妥当」 過去に他社でも…できる対策は?
KDDI回線で起きた大規模な通信障害。他社では過去、障害があっても補償されないケースがありましたが、ITジャーナリストは「何らかの補償があるのではないか」と推測します。今後も障害が発生する可能性はあるため、連絡手段を複数持つことが大切です。
■KDDIは「利用しづらい状況」
有働由美子キャスター
「補償はどうなりそうですか?」
小野高弘・日本テレビ解説委員
「KDDIの規約には『全く利用できない状態が24時間以上続いた場合に賠償する』と書いてあります。今回のことをKDDIは『利用しづらい状況』と説明しています。『全く利用できない状況』とは言っていませんので、補償されるかはどうかまだ分かりません」
有働キャスター
「ただ、ずっと電話がつながらなかった人もいます。その人たちも含めて『利用しづらい状況』で一括りにするのはどうかなと思いますが…」
■過去に他社でも…通信障害の補償は?
小野委員
「他社も補償の条件は同じです。過去にトラブルがあった時はどうだったのでしょうか。ソフトバンクは2018年、4時間半の通信障害がありましたが、『24時間ではない』ということで、補償はありませんでした」
「NTTドコモは去年10月、回線の混乱が29時間続きましたが、『全く利用できない状態は2時間あまりだった』として、個人への補償は行われませんでした」
「今回のKDDIについて、ITジャーナリストの法林岳之さんは『24時間以上、全く使えない人がいたのも事実なので、何らかの補償があるのではないか』と話しています」
「補償内容については『例えば1か月で通信できる量を5ギガ、10ギガ上乗せするなども考えられるが、使い放題の人には意味がないので、料金の一部返還が妥当ではないか』とみています」
■「通信障害」今後起きる可能性は?
小野委員
「KDDIも去年のドコモも、システムを更新したり定期メンテナンスをしようとして起きた ことです。法林さんは『古いシステムは処理能力などに限界があり、新しいシステムへの移行をしなければならない。今後も100%障害が起きないとは言えない』と指摘します」
有働キャスター
「大雨が心配だった週末、私の鹿児島の親戚が『安否確認するのに電話が使えなくなったらどうしよう』と心配していました。これから災害が起きやすい季節です。個人で対策できることはあるのでしょうか?」
小野委員
「連絡手段を複数持っておくのが大事になりそうで、法林さんに対策を聞きました。今回は電話はダメでも、ネット回線でライン通話はつながることもありました。ネット回線の利用や、ネットにつながるようフリーWi-Fiの場所を把握しておくのも大事です」
「『デュアルSIM』の活用も手です。1台の端末に2枚のSIMカードを挿入でき、1つの携帯キャリアが使えなくなったら、もう1つのキャリアに切り替えて電話できます。今の子どもがあまり使ったことのない公衆電話の使い方を教えておくのも、大事になりそうです」
有働キャスター
「携帯のライフラインがこうももろくては困るのですが、複数の連絡手段を持っておくのは確かに大事ですので、一度家族などで話し合ってみてください」
(7月4日『news zero』より)