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「日本の農業がなくなっちゃう」……目指すは年収1000万円? 未経験の若者集団、埼玉発のスマートな“農業改革”

2025年3月22日 13:30
「日本の農業がなくなっちゃう」……目指すは年収1000万円? 未経験の若者集団、埼玉発のスマートな“農業改革”
効率的なスマート農業で改革に挑む若者たちが、埼玉にいます。平均年齢が30歳で、従業員の多くが農業未経験という中森農産。お笑いタレントで『news zero』木曜パートナーの小島よしおさんが取材しました。背景には農業への危機感がありました。

■スマート農業で広い農地を管理

小島さんが3月に訪ねたのは、埼玉・加須市にある田んぼ。種まき作業をしていたトラクターをよく見てみると、作業している人はハンドルから手を離しています。自動運転ができる農業機具を使っていました。

こうした最新技術を使ったスマート農業で、効率的に広い農地を管理している中森農産。背景には、日本の農業への危機感がありました。

■農家の現状は…70歳に迫る平均年齢

今の農家の平均所得は114.2万円(兼業農家も含む)。働く人の平均年齢は70歳に迫る69.2歳で、毎年東京ドーム約5300個分(約2.5万ha)の農地が減っているといいます。この状況を変えようと、中森農産の皆さんが目指していることがあります。

中森農産の従業員
「年収1000万円を目指していくぞと」

どう成し遂げていこうとしているのでしょうか。

■アイデアを出し合って“農業改革”

朝のミーティングで気づいたことがあった小島さん。「お若いなと思いますね」。従業員の皆さんに年齢を聞いてみると、「25歳になりました。先週ですね」「僕も先週34歳になりました」と教えてくれました。

社長の中森剛志さんも36歳です。

小島さん
「(従業員と)仲いいですね」

中森社長
「仲良くやらせてもらっているつもりです」

前の職業もバラバラです。「IT企業で働いていた」「元はホテルに勤めていた」。この会社の平均年齢は30歳で、多くが農業未経験者です。みんなでアイデアを出し合いながら農業を変えています。

■最新鋭機具を導入、AIアプリで管理

一例が米作り。一般的には水田に苗を植えて行いますが、中森農産では、一部の田んぼに最新鋭の機具を導入し、作業を1か月ほど短縮する方法で種まきができるようにしています。

さらに、その田んぼはAIアプリで管理しています。田畑は1500か所ほどあります。パソコンで確認すると、画面上に全体が映りきらないほど。小島さんも「めっちゃ広いですね。めっちゃたくさんある」と驚きます。この区画を12人ほどで管理しています。

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