【独自解説】「違法」「不当」「極めて不適切」第三者委員会が兵庫県・斎藤知事らの対応を糾弾 “パワハラ”などが行われた背景、組織トップらへの“提言”も…調査報告書の内容を詳しく

兵庫県・斎藤元彦知事を巡る県の対応などについて、県と利害関係のない弁護士6人で構成された第三者委員会が、260ページにも及ぶ報告書をまとめました。その中でも特に注目されたのが、繰り返し出てきた『違法』という言葉です。県の対応は、どこが問題だったのか?今後の行方は?読売テレビ・上野巧郎記者の解説です。
■『外部公益通報に該当』第三者委が結論 対応について厳しく指摘「極めて不当」
まず、『公益通報』についてです。先日公表された百条委員会では、「外部公益通報に当たる可能性が高い」との表現にとどめましたが、2025年3月19日の第三者委員会では、「外部公益通報に該当する」と結論付けられました。
2024年3月21日、斉藤元彦知事が文書を入手した翌日には、片山安孝副知事(当時)らと協議した上で、文書作成者の調査が指示されました。その後、同年5月に元県民局長は“懲戒処分”となりましたが、『利害関係者が調査指示・処分に関与したこと』について、第三者委員会は「極めて不当」「県の対応は法律・指針の趣旨に反する」と指摘しました。
■同意得ずメール調査、パソコン引きあげ…通報者捜しは「違法」
そして、『通報者捜し』についてです。同年3月22日・23日に、元県民局長の同意を得ずにメールを調査したことについて、斎藤知事は「名誉毀損などが含まれ、緊急性があった」としていましたが、第三者委員会は、メール調査・事情聴取は“やむを得ない場合”に該当せず「違法」としました。また、元県民局長にパソコンを提出させ、パソコンを引きあげたことについても、公用PCであっても正当化できず「違法」だったと指摘。
第三者委員会は報告書の中で、「組織のトップと幹部は、自分とは違う見方もあり得ると、複眼的な思考を行う姿勢を持つべきだった」と“提言”しました。
■『うそ八百』『公務員失格』はパワハラに該当 第三者委の結論は「大変重い意味がある」
次に、『斎藤知事の発言』についてです。同年3月27日、斉藤知事は会見の中で、元県民局長の告発文に対し厳しい言葉を投げました。この発言について、第三者委員会は「極めて不適切」とし、斎藤知事の「ありもしないこと」という発言は、『自分の言説を強調しようとしたもので撤回すべきだった』と指摘。また、「うそ八百」「公務員失格」という言葉については、『パワハラに該当する』としています。