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“資源量最低”も…早くも“新サンマ”なぜ

2019年7月17日 1:31
“資源量最低”も…早くも“新サンマ”なぜ

ことしは、もう秋の味覚「サンマ」が店に並んでいるそうだ。ところが、サンマの資源量は1980年以降で最低になっている。今後、サンマ漁をどうすべきなのか? 日本や中国が参加する国際会議が16日から始まっている。

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秋が旬のサンマだが、産地直送の魚が売りだという店でも、7月上旬には“新サンマ”をメニューに並べたという。

なぜ、例年よりも早い時期に、新サンマが市場に出回っているのだろうか?

私たちが訪ねたのは、沖合に日本屈指の漁場を持つ岩手・大船渡市。漁船6隻を持ち、サンマ漁から加工品の販売まで手がけている水産加工会社に聞くと――。

鎌田水産・鎌田仁社長「昨年までは(サンマは)8月から12月までが漁期だったんですよ。それが今年から通年操業ができるということで」

去年まで8月から12月までと決められていたが、今年から1年間通じて漁ができるようになったという。日本のサンマの漁獲量は、2008年は約35万トンほどあったが、去年は約13万トンとこの10年でおよそ3分の1に減少。

その理由の一つとされるのが、「急増する外国漁船」。

水産庁によると、日本は主に近海の「排他的経済水域」でサンマを取っていたが、中国や台湾などの外国漁船は、さらに沖の公海上でサンマを大量捕獲。すると、日本に来るサンマの量が減ってしまうという。

そこで日本も漁獲量を確保するために、今年から年間を通じて、サンマ漁をできるようにした。この水産加工会社で、今月、取ったばかりのサンマをみせてもらった。

鎌田水産・鎌田仁社長「これからもうちょっと大きくなると思いますね、8月、9月に向けて」

漁ができる期間がのびても、そもそものサンマの量である、「資源量」が減っていくことに危機感があるという。

鎌田水産・鎌田仁社長「(サンマは)日本だけのものではないというのはわかるので」「資源量を見据えながら、取っていい数量を決めていかなきゃいけないんじゃないかなと思います」

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こうした中、16日、都内で始まった、サンマの資源保護について話し合う国際会議。注目は、サンマの資源保護のための「漁獲枠の導入」。日本は過去に2回提案していたが、中国が「科学的な根拠がない」などと反対。

しかし今年4月、サンマの資源管理を協議する国際的な委員会の調査で「サンマの資源量減少」が報告され、中国もこれに同意。

今回の会議で、中国は「漁獲枠導入」にどんな姿勢を示すのだろうか? また、全体の漁獲枠を各国にどう割り振るかなど、サンマを巡る協議はまだまだ難航しそうだ。