止まらぬ円安で…海外で働く日本人 カナダで「貯金は月 20 万円」 “時給 3000 円”豪州の焼き肉店で「稼げる額半端ない」
円安が止まらず、各所に影響を及ぼしています。輸入肉を扱う焼き肉店やアメリカから商品が届く古着店では、仕入れ値が上昇。都内の両替所では行列ができています。一方、ワーキングホリデーの希望者が増えるなど、海外で働くことを選択する日本人もいます。
都内にある、上ハラミが人気の焼き肉店を訪ねました。
アメリカからの輸入肉も扱い、仕入れ値は今年に入って既に1.5倍になっているといいます。店主は「ハラミもそうですし、輸入ものでうちで使っているのはラム肉になります。あと輸入ワイン、オリーブオイルも(輸入)」と言います。
去年、メニューの一部を値上げして以降は、メニューに付加価値をつけた上で価格を変更するという形で工夫しています。
店主
「(円安や物価高は)お店側がコントロールできる部分ではないので。また値上がりのお知らせが来るというのは構えている状態ですね」
円安が加速し、3日午後11時ごろには一時1ドル=150円まで下落した円相場。しかしその直後、147円台前半まで急激に上昇しました。円安を抑えようと、政府が指示して日銀が通貨の売買を行う「為替介入」を行ったとの見方も出ています。
円安が止まりません。
都内にある外貨の両替所では4日、行列ができていました。
ドルを円に両替した会社員(40代)は「インパクトですね。(1ドル)150円ってニュースが出ると(ドル)持ってたな、って」と話しました。1450ドルを両替し、21万2860円になりました。
会社員
「120円くらいの時に(ドルに)替えた記憶があるので、だいぶプラスな気がします。(このお金は)投資に回そうかなと」
15年ほど前から持っていたドルを円に両替した主婦(40代)は、「42万7922円です。(ドルを)眠らせておいて良かったなと思いました」と言いました。
特にここ最近、外貨を円に両替する人が殺到しているといいます。外貨両替所の代表は「今は1日300人くらいいらっしゃっています。うれしい反面、かなり資金繰りが大変になっていますので、日本円がかなり少なくなる状態ですね」と明かします。
販売する全ての古着をアメリカから輸入している専門店も、円安の影響を大きく受けているといいます。
店員
「商品の安さを売りにしているんですけども、円安の影響を受けてしまって仕入れ値が2割ほど上がっているので、(商品の値段を)上げないといけません」
ブランド物の商品は値段を500円から1000円ほど上げたといいます。店員は「仕入れ値が落ちてくれば、こちらとしてはお安く提供したい」と話します。
円安が進む中、海外で働くことを選択する人もいます。
ワーキングホリデーで3月からカナダに滞在している大瀧茉愛さん(20)は「カナダは元々最低賃金が高いというのがあったり、円安になっててどうせ働きに行くんだったら給料が高いところに行きたいなと思って」と話します。
バンクーバーのすし店で1日8時間、週に5日働いていて、時給は20ドル。これを4日午後8時時点のレート(1カナダドル=108円62銭)で計算すると約2172円です。
大瀧さん
「給料はチップを入れると(月に)35~36万円になります。20万円は月に貯金ができるので、(日本に)帰ってから将来自分のためにお金を使えるように」
留学支援する海外留学エージェント「スマ留」によると、円安などの影響でワーキングホリデーの希望者は前年の2倍以上になっています。人気1位はオーストラリア。現地の焼き肉店では、日本からの応募が殺到しているといいます。
焼き肉店オーナー
「1人アルバイトの子を募集すると、10~20件くらいの応募が殺到するという状況で、我々にとってはメリットがたくさんありますよね」
店の従業員の半分は、ワーキングホリデーを利用した日本人だといいます。
ワーキングホリデーでオーストラリアに来た店員は「元々自分の資金がなかったのと、オーストラリアの時給は高いと聞いたので。3000円くらい1時間でもらってるんですけど、やっぱり稼げる額は半端ないですね」と話します。
円安の影響はしばらく続きそうです。
(10月4日『news zero』より)