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日銀・内田副総裁 “マイナス金利”解除後の金融政策に言及

2024年2月8日 17:42

日本銀行の内田副総裁は8日、マイナス金利政策を解除した後の金融政策のあり方について、「その後にどんどん利上げをしていくようなパスは考えにくい」と述べました。マイナス金利解除後の具体的な金融政策運営についても言及しています。

10年以上にわたって大規模金融緩和策を続けている日銀は、その一環として行っているマイナス金利政策を解除するかどうか検討しています。

内田副総裁は現在の植田体制の下、金融政策決定の中心を担っていて、3月18日と19日に次の金融政策決定会合を控える中、政策修正の時期などに踏み込むか注目されていました。

8日、奈良県で地元の経済関係者らを前に講演した内田氏は、政策修正の時期については触れなかったものの、「仮にマイナス金利を解除しても、その後にどんどん利上げをしていくようなパスは考えにくく、緩和的な金融環境を維持していくことになると思う」との考えを示しました。

マイナス金利の解除後の金融政策のあり方については、植田総裁も先月「現時点で大きな不連続性が発生する政策運営は避けられる」としていて、改めて、マイナス金利解除後の利上げを急がない姿勢を強調した形です。

また内田氏は、マイナス金利を解除した場合、その後の金融政策運営についても具体的に言及しました。

日銀は国債を大量に買い入れて市場に資金を供給する「量的緩和策」の一環として、長期金利を低く抑え込む「イールドカーブ・コントロール」政策を行っていますが、内田氏は「廃止するにせよ、何らかの形で残すにせよ、その後の国債買い入れをどうしていくのか考えなくてはならない」と指摘しました。

「買い入れ額が大きく変わったり、金利が急激に上昇するといったことがないよう、丁寧に対応したい」とも強調しています。

さらにETF=上場投資信託などの買い入れについても、政策修正時に「やめるのが自然だ」と指摘しています。日銀がマイナス金利解除後についてまとまった形で発信するのは初めてです。

マイナス金利解除に向けて詰めの検討を進める中、金融政策の修正について市場との対話を丁寧に行い、今後の政策運営を市場に織り込ませたい狙いがあるとみられます。

次回3月の決定会合で日銀がマイナス金利解除に踏み切るのかが今後の焦点となります。