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「もやしかさ増し」で節約…値上げラッシュ

2021年11月5日 9:46
「もやしかさ増し」で節約…値上げラッシュ

■玉ねぎ、油、パンも…食卓直撃

4日夜、東京・墨田区の「スーパーイズミ」を訪ねました。

北海道の干ばつなどにより、じゃがいもと玉ねぎが値上がりしています。社長は「だいたい例年に比べたら3~4割(値上がり)。すごい値段になってますね」と言います。

油の値段も上がっています。「4回目…今年になって(値段が)上がるのが」と社長。

また、食パンや菓子パンについても、輸入小麦の価格高騰などにより、取り扱う山崎製パンが来年の出荷分から値上げします。値上げ幅は平均すると、食パンで9%、菓子パンで6.8%といいます。

値上げラッシュが、私たちの食卓を直撃します。

スーパーの店内で、もやしを右手に持ったまま買い物をしていた会社員の女性(28)は「いつもの晩ご飯の野菜を追加で買い足しに来ました。もやしとか、ちょっと安めのもので、かさ増ししようかなと思っています」と話しました。

女性は夕食で早速、豚肉と蒸し焼きにして食べたといいます。割安のもやしレシピで、少しでも食費を浮かせるひと工夫をしています。

スーパーの社長からは本音がこぼれます。「もう何から何まで上がっちゃってるから、非常に困っちゃっていますね」

■ガソリン高騰…客「いい加減に」

東京・世田谷のガソリンスタンドを取材しました。利用客が「いやー、もういい加減にしてほしいなと思いますよね」と嘆くのが、ガソリン価格です。

4日発表された、全国のガソリンスタンドでのレギュラーガソリンの平均価格は、1リットルあたり168円70銭。値上がりは9週連続で、2014年8月以来、7年3か月ぶりの高値水準となりました。

利用客
「どんどん上がっていくからね。どこまで行くんだろうって思いますよね」

別の客
「だいたい、ここが天井なんじゃないかなと思いますけど、ちょっと予断を許さないと思います」

■仕入れに同行…ガソリン代の負担は?

このガソリン価格の高騰は、さまざまなところで影響が出ています。都内に店舗があるスーパー「アキダイ」の秋葉弘道社長に同行しました。

野菜など生鮮食品の仕入れのため、秋葉社長は4日朝、車で市場を訪れました。吟味した食品を車に積み込むと、約10キロ離れた2軒目の市場まで移動。ここでも大量に仕入れを行いました。

その後、ガソリンスタンドに立ち寄って給油し、店に到着。この日、車を走らせた距離は約25キロでした。秋葉社長と従業員は、こうした仕入れと配達を18台の車で、ほぼ毎朝のように行っています。

ガソリン価格の値上がりでどれほど負担が増えているのか―請求書を見せてもらいました。

秋葉社長
「去年の8月、1リッター129円で、全部で34万8000円。今年の8月はまだ、(1リッター)147円で45万5000円。今回160円(台)ということは(ガソリン代は)もっとですよね…」

ただ秋葉社長は、「商品に価格転嫁できるかと言ったらできないんで、現実厳しいですよね。このガソリン高騰が続くことによって、経営圧迫ですね」

(11月4日『news zero』より)