群雄割拠の「からあげ戦国時代」 “新たな一手”に動く各社
手軽でテイクアウトしやすい「からあげ」ですが、その日本一が、13日に発表されました。からあげ専門店は、1年で1000店舗以上増え、「からあげ戦国時代」とも言われる中、各社は新たな一手に動いています。
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黄金色の衣を身にまといジューシーな肉汁があふれ出す、大人も子供も大好きな「からあげ」の“日本一”が今年も発表されました。
13回目を迎えた「からあげグランプリ」。味付けや地域など11部門にエントリーしたのは全国1023店舗でした。約33万の“からあげ好き”による投票の結果、個性が光る「素材バラエティ部門」最高金賞は、沖縄・座間味村で生まれた「ケンティのからあげ」が栄冠に輝きました。
素材バラエティ部門最高金賞 ケンティのからあげ 橋口賢人さん
「昨年に続き、今年もまた最高金賞をとることができたこと。これ以上ない励みと勇気になります」
昨年、東京・浅草に直営店ができたケンティのからあげでは、鶏肉だけでなく、魚や野菜などの食材を、醤油麹を使ってからあげに。鶏肉は形を丸に整えることで、ムラなく、しっとりと仕上がるということです。
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日本唐揚協会によると、からあげ専門店はコロナ禍で急増し、2021年4月に3123店だった店舗は、2022年4月には推定4379店となり、この1年間で生まれた専門店は、1000店舗以上ということです。
日本唐揚協会 八木宏一郎専務理事
「海外のとりの揚げ物、からあげが増えた1年でした。タピオカ屋さんが台湾からあげ、韓国からあげのように、からあげ専門店にくら替え・業態変更したケースが目立ちました」
“台湾系”や“韓国系”の店舗が増えているということです。
実際に、横浜中華街の台湾からあげ専門店では、今月も新店舗をオープンする予定です。
横濱炸鶏排本店 五十嵐智さん
「今月は(東京)大田区の蒲田と、北海道・札幌にフランチャイズ店がオープンします」
大きさ15センチほど、台湾ではおなじみの「炸鶏排」を購入したお客さんは「おっきい!」と驚いていました。
お客さん
「めちゃめちゃ大きい」
「サクサクしてるのと、味がスパイシー。日本人にも合う感じ」
味の決め手は、シナモンなど5つ以上の香辛料をブレンドしたスパイスです。衣には、タピオカ粉が使われ、油切れがよく、食感はサクサクになります。
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また、最近ではスーパーの総菜からあげも進化していて、専門店に負けじと、店舗で粉をつけて揚げる本格派が増加しています。
まさに群雄割拠の「からあげ戦国時代」。“新たな一手”に乗り出した企業も出ています。
すかいらーくホールディングス 通販・配食事業チームリーダー 池島徳彦さん
「から好しのからあげを、冷食で販売させていただいてます」
すかいらーくグループは、店の味を家庭でも楽しんでほしいと「から好し」のから揚げを冷凍食品で販売しました。しっかりと付属のからあげ粉をまぶし、170℃の油で6分ほど揚げれば、お店さながらのからあげが出来上がります。すかいらーくグループによると「調理に一手間かかるものの、売り上げは好調だ」ということです。
冷めることのない「からあげ熱」は、今後もますます盛り上がっていきそうです。