「廃業する人も多くなって…」飼料や燃料高騰でピンチ 畜産農家が県に支援要請 山梨
飼料価格の高止まりに燃料価格の高騰が重なり、廃業も相次いでいる畜産農家をめぐる動きです。生産コストの上昇が経営を圧迫しているとして30日、県内5つの畜産団体が県に支援を要請しました。
北杜市長坂町の「内田牧場」です。こちらでは52頭の乳牛が飼育され、毎月28トンの牛乳を出荷しています。
「ここにある(飼料)は全部輸入なんだよね。全部(価格が)上がっているから、そういうところも心配」
牧場の代表で、県内の酪農農家でつくる組合の組合長、内田繁雄さんです。
家畜のエサとなる配合飼料は産地のウクライナ情勢や円安の影響で高止まりが続いています。そのため、こちらの牧場では年間のエサ代が5年前より500万円以上、増えました。
また、燃料価格の高騰で牧草を刈り取るための燃料費も4割ほど上昇。この間、組合に加盟する33軒の酪農家のうち9件が廃業し、生産コストの削減はもはや限界だといいます。
県酪農業協同組合 内田繁雄 代表理事
「酪農家は結局、飼料がないと成り立っていかないので。ずっと(飼料価格が)高止まりだと、この先も不安はいっぱいあります。廃業する人も多くなってきて、仲間が減るというのが仲間意識もだんだん薄れてきて」
こうした中、内田さんを含む県内5つの畜産団体の代表が30日に県庁を訪れ、長崎知事に支援を要請しました。
県酪農業協同組合 内田繁雄 代表理事
「生活の一つを補っていくわれわれ農業の生産者が、後継者も進んで行える酪農経営になれるよう支援をお願いしたい」
要請を受け、長崎知事は「国の交付金を活用し支援の拡充を検討する」と応じました。県は今年度中に支援策をまとめる方針です。