【波紋】2年で16億5000万円⁉『都庁のプロジェクションマッピング』に都民から批判の声 さらに、お台場海浜公園には26億4000万円で “噴水”整備計画中⁉税金だけに頼らないという東京都の思惑・戦略とは―
東京観光・インバウンド盛り上げの起爆剤『都庁のプロジェクションマッピング』に、観光客から歓喜の声があがる一方、十億円単位の予算に都民からは疑問の声も。そんな中、小池知事は批判を吹き飛ばす“秘策”に打って出ました。さらに、 お台場海浜公園に約26億円の“噴水”整備を計画中。日本の首都・東京に一体、何が―。
■「百合子さん、ありがとうって感じ」「ちょっともったいない」予算16億5000万円の『都庁プロジェクションマッピング』に賛否の声
首都・東京は今、暗闇に浮かぶ光と音のスペクタクル真っ盛り。それが、東京観光・インバウンド盛り上げの起爆剤として強力に推し進めている『東京都庁プロジェクションマッピング』です。
往年の名作ゲーム『パックマン』が東京都庁をカッ食らい、土日は人気ユニット・YOASOBIとコラボ。さらに、ゴジラが都庁を襲撃。日本が世界に誇る怪獣が、新宿の夜を破壊します。
世界的なトップクリエイターたちが制作したオリジナルプログラムを、都庁という巨大キャンバスに投影。40台もの巨大プロジェクターをミリ単位で微調整し、11基のスピーカーが生む大音響とのコラボで、東京の夜を極彩色に彩るのです。
2024年2月から始まった『TOKYO Night&Light』は、荒天や点検日を除き毎日上映されていて、同年12月は午後5時半から一日9回上映。観覧は無料で、同年11月13日までに約41万人が来場しています。
(プロジェクションマッピングを見た人)
「すごくキレイで、『百合子さん、ありがとう』って感じです」
「とてもキレイなショーを見ることができて、感謝しています」
一方で、16億5000万円(2年)と高額な予算には、物価高騰に苦しむ都民から厳しい意見が―。
(都民)
「金額を聞いちゃうと、ちょっと税金の使い過ぎかなって」
「ちょっと、もったいないなと思いますね」
■批判を吹き飛ばす都の“秘策”は、上映開始前に投影する広告「収入を運営経費に充てられる」
そんな中、東京都・小池知事は批判を吹き飛ばす“秘策”に打って出ました。2024年11月1日、「上映開始前に投影する広告を募集します。企業PRなどにご活用いただきたい」として、プロジェクションマッピングの広告募集を開始したのです。
広告の上映は、早ければ2025年1月から。広告料の一例としては、1月の1週間プランは15秒×9回で74万円です。夏場は日照時間が長く上映回数が少ないため少し安くなるなど、月によって料金が変わるといいます。
また、都庁によると、広告は「公共の福祉に反しないようなもので、人が見て不快でないものなら可能」ということです。
東京都の担当者によると、「広告募集は選択肢の一つとして、当初から想定していた。広告を出した民間企業の経済活動の活性化につなげることができ、広告収入を運営経費に充てられるため」としています。
■26億円以上かけて、お台場に“新たなランドマーク”計画中!?高額な整備費・維持費などに都民からは戸惑いの声
さらに―。
(東京都・小池知事)
「臨海副都心の魅力をさらに引き出し、より一層のにぎわいを創出するため、お台場海浜公園に新たなランドマークとなる噴水を整備します」
幻想的に舞い、音楽と共に刻々と表情を変える、水のきらめき―その名は、『ODAIBAファウンテン(仮称)』。東京の花・ソメイヨシノをモチーフにした噴水は、高さ150m・横幅250mと世界最大級。2025年度中に着工し、2026年4月末までに完成予定です。
しかし、大がかりな噴水があった自治体の中には、神奈川・横須賀市、兵庫・宝塚市、長崎・佐世保市など、高額な維持管理費などに悩まされ、廃止・撤去した自治体も…。
そんな中、2024年11月6日に発表された来年度予算要求によると、世界最大の噴水を作るために必要な費用は整備費・設計費合わせて26億4000万円。年間の維持管理費が1億5000万円~2億円です。
(街の人)
「えっ!そんなに?高いと感じますけど…」
「財源というか、どこから出ているのかな?」
東京都港湾局によると、「コロナ禍でエリアに来訪する人が減り、周辺事業者から活性化を求める声が上がった。水辺との親和性もあり、景観に磨きをかけられると考えた」としています。
東京都によると、観覧者は年間約3000万人・経済波及効果は年間98億円。財源は税金ではなく、埋立地の売却などによる収入から捻出するということです。
(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年11月15日放送)