<中継>スーパーチューズデーで圧勝 トランプ氏の強さのワケは?
アメリカ大統領選挙に向けた野党・共和党の候補者選びのヤマ場、スーパーチューズデーで、トランプ前大統領がこれまでに15の州のうち13州で勝ち、圧勝となっています。トランプ氏はフロリダ州の自宅で開票を見守ったということですが、どんな様子だったのでしょうか、中継です。
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トランプ氏の自宅では現地時間5日午後7時過ぎから支持者が集まって立食パーティーが始まり、会場のテレビにトランプ氏の「勝利確実」の速報が流れるたびに、大きな歓声があがりました。
午後10過ぎにトランプ氏が登場すると、会場は熱狂的な雰囲気に包まれ、トランプ氏は11月の本選を見据え、バイデン大統領との対決姿勢を鮮明にしました。
トランプ前大統領「バイデンはアメリカ史上最悪の大統領だ。11月5日(本選挙)は我が国の歴史上、最も重要な1日となるだろう」
――今回は共和党の候補者を選ぶ選挙ですが、トランプ氏は、なぜこんなに強いのでしょうか?
ポイントは以下の3つです。
1.岩盤支持層
2.支持者を引きつける演説
3.個性的なキャラクター
まず、岩盤支持層といわれる熱狂的な支持者がトランプ氏の強さの理由といえます。
また、トランプ氏の演説も、エリートや既得権層と闘う姿勢をアピールし、人々の現状への不満をすくいあげ、バイデン政権への批判につなげる手法は非常に巧みです。「トランプ氏は本音を語り、自分たちのことを理解してくれている」と思わせるところが強固な支持につながっています。
そして、3つめが「個性的なキャラクター」です。アメリカの人に聞くと、理屈ではない部分なのですが、トランプ氏の「なんとなく憎めない」「面白い、愛嬌(あいきょう)がある」というキャラクターが人気を集める理由だというのです。失言や暴言、バイデン大統領なら即高齢批判の対象となる言い間違いなども、そのキャラクターで支持率低下につながらず得をしている部分があります。
――11月の大統領選はバイデン大統領とトランプ氏の対決がほぼ固まった形ですが、この勢いでトランプ氏が勝つのでしょうか?
いえ。まだそうとはいえません。現在の世論調査の支持率の平均では、トランプ氏がバイデン氏をわずかに上回っています。しかし、今回、トランプ氏が圧倒的な強さを見せたのは、あくまで共和党内の戦いだからです。
本選でバイデン氏に勝つには、ヘイリー氏に集まった「反トランプ票」「無党派層」への支持拡大が大きな課題となります。また、今抱えている裁判で今後、有罪判決が出た場合、支持率が下がる可能性もあります。
一方で、バイデン大統領も不安要素を抱えています。高齢への懸念が高まっていることから、今後も言い間違いや転倒などが大きくメディアに取り上げられると致命的なダメージになる可能性があります。また、国内で批判が高まっているイスラエルへの対応も課題となります。
――81歳のバイデン氏と77歳のトランプ氏の高齢者対決に、アメリカの人たちはどう思っているのでしょうか?
最近、アメリカメディアが使うようになった「ダブルヘイターズ」という言葉があります。「バイデン氏もトランプ氏もどちらも嫌だ」という有権者層を「ダブルヘイターズ」と名付け、大統領選の動向を左右するとの見方が出ています。
ニューヨーク・タイムズの調査では、ダブルヘイターズは有権者全体の19%にのぼっていて、11月の大統領選では勝敗を分ける浮動票になる可能性があります。