BBCがラッセル・ブランド氏めぐる調査結果公表「スタッフらは告発を真剣に受け止められないと感じて訴えられず」

イギリスの人気コメディアン、ラッセル・ブランド氏の性的暴行疑惑をめぐり、ラジオ番組にブランド氏を起用していたBBCは、30日、内部調査の結果を公表しました。ブランド氏に対する懸念に対して「スタッフらは、告発を真剣に受け止められないと感じて訴えることができなかった」などとして、謝罪しています。
人気歌手のケイティ・ペリーさんの元夫としても知られるイギリスの人気コメディアン、ラッセル・ブランド氏をめぐっては、地元メディアが2023年、ブランド氏の複数の女性に対する性的暴行疑惑を報じ、その後、ロンドン警視庁が捜査を続けています。
ブランド氏は「合意の上だった」などとして、疑惑を全面的に否定していますが、BBCは、性的暴行があったとされる2006年から2008年の間に、ブランド氏をラジオ番組の司会者として起用していて、内部調査を行っていました。
こうした中、BBCは、30日、内部調査の結果を公表し、ブランド氏に対する懸念に対して「スタッフらは、告発を真剣に受け止められないと感じて訴えることができなかった」などとして、謝罪しました。
調査では、「ブランド氏からズボンや下着に指を入れられて引っ張られた」といったケースや、「女性がトイレに連れ込まれて男性器を見せられた」といった証言が得られたということで、いずれも当時は告発が行われなかったとしています。
そして、「ブランド氏は常に自分の思い通りになると考えており、またスタッフらは、ブランド氏がBBCの経営陣から支持されていると感じていた」とした上で、ブランド氏をめぐる懸念について告発するには、「影響力がありすぎると思われていた」と結論づけています。
BBCの内部調査の担当者は、「ブランド氏の容認できない行動を迅速に発見し、対処するためのより良いシステムがあったはずだ」と認めた上で、現在は、スタッフらが懸念を表明するための仕組みやルートなどを導入したとしています。
なお、内部調査では、ブランド氏にも協力を要請したものの、「調査への協力を拒否された」ということです。