南シナ海めぐり、米中の対立が鮮明に
アジアの安全保障について防衛トップらが意見を交わす国際会議が閉幕した。中国が南シナ海で急速に進める埋め立てをめぐって、アメリカと中国の対立が鮮明となった。
会議最終日の31日、演説した中国軍の孫建国副総参謀長は、南シナ海での埋め立ては「主権の範囲内で合法」であり、脅威を与えていないと強調した。
孫副総参謀長「(埋め立ては)特定の国を狙ったものではなく、航行の自由にも影響を与えていない」
南シナ海の問題をめぐって、先に仕掛けたのはアメリカだった。カーター国防長官は「地域を緊張させる源だ」と厳しく非難。初めて埋め立ての「即時中止」を求めた。埋め立てがかつてないピッチで拡大し、このままではアメリカが主導するルールが根本から覆りかねないと危機感を強めているためだ。日本やオーストラリアとも連携し、国際的な包囲網づくりを進める構えをアピールした。
これに対し、問題が多国間で論じられることを避けたい中国側は、個別での会談を精力的にこなし、理解を求めた。
鮮明になった米中の対立。中国は埋め立てを続けていく姿勢を変えておらず、今後、南シナ海での緊張が一層高まることが懸念される。