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【解説】英米“機密情報”公開3つの狙い ロシアの今後は“恐怖政治”か“内部崩壊”か

2022年4月1日 10:38
【解説】英米“機密情報”公開3つの狙い ロシアの今後は“恐怖政治”か“内部崩壊”か

ウクライナでの戦況やロシア軍の動きなどについて、欧米側が機密情報をあえて公開する“情報戦”が激しさを増しています。プーチン大統領はこれをどうみているのか、欧米側の狙いはどこにあるのか、詳しく解説します。

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■「自国軍の装備を破壊」「誤射」続々と“内部情報”公開

アメリカやイギリスは、ロシア・プーチン政権内部の機密情報を相次いで公開しています。

ホワイトハウスの広報部長は、「プーチン氏は、側近から、ロシア軍の戦況がいかに良くないかや、経済制裁による影響について、誤った情報が伝えられている」と発言しています。この理由について、「側近らはプーチン氏が怖くて、真実を伝えられていないからだ」としています。

バイデン大統領は先月31日、「確かなことは言えないが、プーチン氏は自ら孤立しているようだ」と指摘し、「プーチン大統領が一部の側近を更迭したり自宅軟禁したりしている兆候がある」と発言。正しい情報を上げなかった側近に対して、更迭したり、自宅軟禁していると示唆しました。

ホワイトハウスの広報部長は、「プーチン氏は軍に欺かれたと感じて、プーチン氏と軍幹部との間に継続的な緊張関係が生まれている」とも指摘しています。

また、イギリスの情報機関・政府通信本部トップのフレミング長官も、ロシア軍の現在の状況について、“独自の情報網に基づく機密情報”を明らかにしています。

フレミング長官は、「プーチン大統領はこれまで、ロシア軍の能力を大きく見誤った」、また、「ウクライナ国民の抵抗の強さと、西側諸国の団結力、経済制裁の効果を過小評価している」と指摘した上で、次のように話しました。

イギリス政府通信本部 フレミング長官(先月31日)
「ロシア兵は武器も足りず、士気も下がっている。命令に背いたり、自国軍の装備を破壊したり、誤って撃つなどしている。プーチン氏は実際に何が起きていて、自らの判断がいかに間違っていたかは自分でも十分にわかっているはずだ」

このように、アメリカやイギリスが、相次いでロシアの内部情報を公開しています。

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■ロシア側の反応「意思決定の仕組み理解してない」
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