イラン核協議合意 経済制裁“段階的解除”
オーストリア・ウィーンで開かれていたイランの核問題をめぐる欧米など6か国とイランの協議は14日、最終合意に達した。
イラン・ザリフ外相「危機を終わらせるための道を開く。歴史的な日だ」
最終合意は159ページにおよぶ文書で発表された。イランは、核兵器の材料ともなる濃縮ウラン製造規模の大幅な縮小やIAEA(=国際原子力機関)による軍事施設への査察の実施を受け入れた。
これと引きかえに、欧米などはイランに対する国連決議をすべて撤回し、段階的に経済制裁を解除することで合意した。
今週中に新しい国連安保理の決議が出される予定で、双方は来年初めまでに合意内容の履行を目指す。
米ケリー国務長官「合意が生かされるかは、指導者が実行するか次第だ」
合意したからといって双方の不信感がすぐに解消されるわけではない。ケリー国務長官は、合意違反があった場合は再び制裁を科すと釘を刺し、イラン側は制裁が戻った場合、合意を停止するとの立場を文書に盛り込ませた。
イランの核開発疑惑が発覚してから13年。最終合意という「歴史的」成果を得た今、欧米とイランには、合意を確実に履行するという新たな責務が待ち受けている。