COP21 温暖化対策「パリ協定」を採択
フランス・パリ郊外で行われている地球温暖化対策について話し合う国連の会議、COP21は日本時間13日未明、京都議定書以来18年ぶりとなる新たな温暖化対策の枠組み、「パリ協定」を採択した。小島康裕記者がリポート。
2週間にわたり激しく戦ってきた各国が今は互いをたたえ合い、合意を歓迎する意見陳述を続けている。“人類の歴史を変えた”そんな高揚感に会場は包まれている。
アメリカや中国、途上国も含めた196の国と地域が参加する史上初めての枠組み「パリ協定」は、日本時間の午前3時半頃、全会一致で採択された。
法的拘束力を持つこの協定では、気温上昇の目標を2℃、もしくは1.5℃未満に抑えるために定期的に目標の見直しを行い、向上させるよう定めた。
一方、焦点となっていた途上国支援については先進国の意向を受けて金額を書き込むことを見送った。かわりに法的拘束力のない決定事項として、2025年まで毎年1000億ドルを下限とすると明記し、双方が一定の妥協をした様子がうかがえた。
南アフリカ代表「この文書は完璧なものではありません。しかしこれが行動を強化するための土台となると信じています」
環境問題に取り組んできたNGOも今回の合意を評価している。
WWFジャパン・小西雅子さん「(先進国と途上国が)互いに相当今までの立場超えて妥協したと思う。それぞれの国が(国内対策を)ちゃんとやっていくか、ここからがスタートポイント」
採択後には、EU(=ヨーロッパ連合)と中国の代表者が抱き合う一幕もあった。今後は先進国と途上国が協力して合意内容を誠実に履行することが求められる。