サウジとイラン対立激化 沈静化図る動きも
イスラム教スンニ派の大国サウジアラビアとシーア派の大国イランとの対立は周辺国を巻き込む形で激化している。一方、国際社会からは双方に対話を促すなど事態の沈静化にむけた動きも出ている。
両国の関係を巡っては、サウジ政府がシーア派指導者の死刑を執行したのを発端に、イランにあるサウジ大使館が襲撃され、サウジ政府が外交関係の断絶を発表している。これを受けてバーレーンやスーダンが4日、イランとの関係断絶を表明したほか、アラブ首長国連邦(=UAE)も外交関係の見直しを表明した。
こうした中、国連の安全保障理事会は4日、報道機関むけの声明を発表し、大使館襲撃を非難した。イラン政府に対しては大使館の建物や職員の安全を確保することを求めている。また、「地域の緊張を緩和するため全ての関係国に対し対話を続けていくことを求める」としている。
一方、これに先だち国連の潘基文事務総長はイランとサウジの外相とそれぞれ電話で会談し事態悪化を避けるよう促した。
アメリカ政府も懸念を表明し、全ての関係国に自制と緊張緩和を促しているほか、ロシア外務省も、両国の対話による解決にむけ支援する用意があると表明するなど、事態の沈静化を図る動きも出ている。