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トルコ「自爆テロ」 ドイツ人“8人”犠牲

2016年1月13日 6:38
トルコ「自爆テロ」 ドイツ人“8人”犠牲

 トルコの最大都市イスタンブールの観光の中心地で12日、爆発があり、観光客ら10人が死亡した。トルコ政府は過激派組織「イスラム国」による自爆テロと断定した。爆発が起きた現場から小島康裕記者が伝える。

 現場は世界遺産のスルタンアフメット地区の中心で、観光客が必ず訪れるアヤソフィア寺院やブルーモスクの近くにある古代競馬場跡の奥が爆発の現場。

 地元当局によると、爆発で10人が死亡、15人が負傷した。ドイツ政府は、死者にドイツ人が少なくとも8人含まれていると明らかにした。

 トルコのダウトオール首相は、自爆テロ事件と断定した上で、実行犯は外国籍で、「イスラム国」のメンバーだと述べた。また副首相も、実行犯は最近、隣国のシリアからトルコに入国した人物だと明らかにした。

 一方、「イスラム国」がこれまでに犯行声明を出したという情報は入っていない。トルコでは去年10月に首都アンカラで起きた自爆テロなど、「イスラム国」の関与が疑われるテロ事件が相次いでいる。また、並行してクルド人の反政府武装組織も活動を活発化させている。政府はまさに「二正面」の掃討作戦を続けていて、ダウトオール首相は12日の会見で「トルコは『イスラム国』との戦いで一歩たりとも後退しない。他のテロ組織に対しても同じだ」と述べた。

 しかし、観光の中心地で起きた今回のテロ事件は治安の悪化を決定づけた形。事件後、ブルーモスクやアヤソフィアの周辺は封鎖された。観光大国トルコは、さらに厳しい局面に立たされている。