アメリカとＡＳＥＡＮ（＝東南アジア諸国連合）の首脳会議は１６日、海洋進出を強める中国を念頭に、「航行の自由」の維持などを盛り込んだ共同声明を採択した。アメリカのメディアは、中国が南シナ海の島に地対空ミサイルを配備したと報じている。

　共同声明では、南シナ海で埋め立てなどを活発化させる中国を念頭に、海洋の非軍事化を促すことや、「航行の自由」を維持することなどが盛り込まれた。ただ声明の中では「中国」を名指ししておらず、経済的に中国に依存する一部の加盟国の立場にも配慮したものとみられる。

　一方、アメリカのオバマ大統領は、中国に抗議するため、周辺海域での「航行の自由作戦」を続けていくと明言した。

　こうした中、アメリカのＦＯＸニュースは１６日、中国が南シナ海の西沙諸島の島に地対空ミサイルを配備したと報じた。今月１４日に撮影された衛星写真にはミサイルの発射装置などが写っていて、ＦＯＸニュースは過去１週間の間に配備されたと伝えている。中国の軍事化を進める行動に各国からさらなる反発も予想される。