３０日、フィリピンの新大統領に過激な発言で注目されたドゥテルテ氏が就任する。中国に強硬姿勢を取ってきたフィリピンが「対話重視」に転換するかが焦点。首都マニラから今村健太郎記者が伝える。

　ドゥテルテ氏は南部の最大都市・ダバオの市長を２２年務め、サングラスに銃を携え自らパトロールの先頭に立ち、犯罪防止で成果を残した。大統領選挙でも「麻薬を半年でなくす」など過激な公約を披露している。

　一方、外交手腕は不透明で、南シナ海問題では領有権を争う中国との二国間対話をにおわせていて、中国が攻勢を強める可能性もある。国際的な司法機関・仲裁裁判所は来月１２日、南シナ海問題についてのフィリピン政府の申し立てに判断を示す。ドゥテルテ氏の側近で入閣するドゥレサ新大統領補佐官は３０日、ＮＮＮの単独インタビューで「大統領の対中国政策は裁判所の判断が出た後だ」と話した。

　来月２５日には施政方針演説が行われる予定で、ドゥテルテ氏の外交姿勢が注目される。