クリントン氏演説は高評価 課題は好感度
アメリカ大統領選挙へ向けた民主党大会は最終日。女性初の大統領をめざすクリントン氏が大統領候補の指名受諾演説を行い、選挙で勝利しアメリカをけん引する決意を強くアピールした。
演説でクリントン氏は共和党のトランプ氏の政策は「何の解決策も示していない」と批判し、有権者に「分断か団結か」の選択を求めた。
クリントン氏「トランプ氏は我々を分断しようとしている。私たちは多くの移民に対し、市民権への道をつくる。そして壁を築く代わりに誰もが良い仕事につける経済を築く」
さらに、「トランプ氏は一人で解決すると言うが一人では解決できない」と断言し、国民や世界の国々が団結し問題に取り組む重要性を重ねて訴えた。
これでクリントン氏とトランプ氏の一騎打ちとなるが、クリントン氏の演説は取材記者もおおむね高く評価している。
NBCテレビ記者「演説で民主党を団結させた。成功だったと思う」
クリントン氏は、「ニューヨークタイムズ」紙が様々なデータなどを総合して予測している「勝利の可能性」でも70%と、30%のトランプ氏を圧倒的にリードしている。
しかし一般の有権者の支持率は拮抗(きっこう)している。「リアルクリアポリティクス」調べ(7月18~27日)でクリントン氏は44.7%、トランプ氏は45.6%となっている。
クリントン氏の最大の課題は「好感度」。CNNの調査では「好感が持てない」という人は55%にものぼる。優秀すぎる上、ワシントンの政治の世界に染まり、親しみがわかないというイメージを打ち破れるかが、大統領への道を切り開くカギとなる。