安保理で決議案採択 核実験“自制”求める
国連の安全保障理事会は23日、爆発を伴う核実験を控えることを各国に求める決議案を採択した。
「核兵器なき世界」をめざすオバマ大統領の肝いりで進められてきた今回の決議。オバマ大統領にとって、最後のレガシー“遺産づくり”となりそうだ。
決議は、全ての国に「爆発を伴う核実験を控えること」を求めているほか、CTBT(=包括的核実験禁止条約)の批准を求めている。ロシアや中国も賛成し、採択された。
ケリー国務長官「北朝鮮の最近の核実験は、国連安保理への挑戦だ。(北朝鮮の核の脅威により)CTBTと今回の決議採択がいかに重要なのか改めて示された」
しかし、CTBTは20年前に採択されたものの最大の核保有国であるアメリカ自身が、野党共和党を中心とする議会上院の反対で批准されず発効していない。
現職大統領として初めて被爆地・広島訪問を実現させたオバマ大統領だが、任期中にCTBTを批准することは絶望的。そのため、国際組織としての効力を持つ国連という別の枠組みを使って、自らが掲げる「核なき世界」に向けた機運を高めたい狙い。
ただ決議には法的拘束力がないため、実効性があるとは言い難く、「核なき世界」の実現にむけた追い風となるかは未知数。