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2017年、トランプ新政権の行方《国内》

2017年1月2日 23:40
2017年、トランプ新政権の行方《国内》

 いよいよ始動するトランプ新政権。その政策を進める閣僚の顔ぶれがほぼ固まった。


 ■「海外から雇用を取り戻す」

 トランプ氏が重点を置く経済政策については、海外から雇用を取り戻すというメッセージを前面に、2500万人の雇用を増やすという公約を掲げている。そのために国内の企業に税制で優遇措置をとるという「あめ」をちらつかせ、メキシコなど海外への工場移転食い止めをはかる。

 こうした政策は、大統領選で経済顧問を務めた投資家のウィルバー・ロス次期商務長官など民間企業のトップが中心となって進めていくことになる。ここまで多くの民間企業のトップが閣僚に起用されるのは極めて異例で、前例にとらわれない大胆な経済政策が打ち出される可能性もある。

 ■TPP早期脱退を表明

 また、通商政策に関しては、既存の協定を全て見直すと強調しており、TPP(=環太平洋経済連携協定)については、早期に脱退を表明する。今後は、TPP参加国との二国間での自由貿易協定の締結を目指す方針を示しているが、各国が交渉に応じるかは不透明だ。

 ■オバマ大統領の「遺産」打ち消し鮮明に

 一方、オバマ大統領肝いりの保険制度改革「オバマケア」については、毎年、議会に「オバマケア」に替わる医療保険制度を提案するなど、オバマケア反対の急先鋒として知られている下院議員を厚生長官に起用。国内政策についてはオバマ大統領の「遺産」を打ち消す姿勢を鮮明にしている。

 さらに、多くの支持を集めてきた移民対策についても、肝いりの公約、メキシコ国境沿いに不法移民の入国を防ぐための壁の建設をどのように着手するかが当面の焦点だ。一部を「壁」ではなく「フェンス」にするなど考え方に柔軟性を示してはいるものの、建設そのものには依然として意欲を示している。しかし財源については、メキシコ政府に費用を負担させるとした実行の難しい主張をするばかりで、具体的な道筋は打ち出せていない。

 ■自らのビジネスとの関係は

 また、自らが続けてきたビジネスについても問題が残されている。大統領就任後もホテル経営などビジネスを行えば、公務との間で利害が衝突する「利益相反」になるとの批判が高まる中、経営権を息子に委譲する考えを示しているトランプ氏だが、具体的な説明をするとした記者会見を延期した。

 トランプ氏に対する根強い反発が依然として残る中での船出となるが、公約を反故(ほご)する事態や政治とカネの問題が噴出すれば、政権運営が混乱する可能性も大きい。

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