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原発攻撃受け安保理で非難相次ぐロシア「事実無根」

2022年3月6日 11:37
原発攻撃受け安保理で非難相次ぐロシア「事実無根」
ネベンジャ国連大使(ロシア)

アメリカ・ニューヨークで4日、ウクライナの原子力発電所がロシアに攻撃されたことを受けイギリスやアメリカなどの要請で国連安全保障理事会の緊急会合が開かれました。各国からはロシアを非難する声が相次ぎました。

■「世界は原子力災害を間一髪で回避」

アメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使は、「世界は昨夜、原子力災害を間一髪で回避することができた」とした上で、「ヨーロッパと世界にとって悲惨な脅威となる新たな危険が増大している、プーチン大統領は狂気の沙汰をやめなければならない」と強い言葉でロシアを非難しました。

またイギリスの国連大使は、「国家が原発を攻撃したのは今回初めて」だと述べ、原子力施設の安全確保のためロシアに戦闘行為をやめるよう呼びかけました。

■「福島で何が起きたかをはっきりと覚えている」

また安保理では、福島への言及も相次ぎました。

アイルランドは、「私たちはみな、チェルノブイリや福島で起きたことを見てきた。その光景はここにいる誰もが起きて欲しくないと思っている」と話しました。

UAE=アラブ首長国連邦は原発事故による災害は封じ込めも復興も困難だとした上で、「私たちは福島とチェルノブイリで何が起こったかをはっきりと覚えている。健康と環境の両面で代償は計り知れず、二度と事故を起こしてはならないと述べました。

■ロシアは「偽情報キャンペーン」と反論

一方、各国から非難を受けたロシアのネベンジャ国連大使は、「ロシアが攻撃したというのは偽情報キャンペーンの一部であり、原発で火災が起きたというのは事実無根である」と反論。

ロシアがパトロール中にウクライナに攻撃されたと一方的に主張しました。

■ウクライナ・・・「嘘を広めることはやめて」

会合の最後に、ウクライナのキスリツァ大使はロシアに対し、「嘘を広めることはやめて欲しい。何が起きているかよくわかっているでしょう」と強い口調で迫った上、「国際社会がいま行動しないとウクライナだけではなくみなさんにとっても手遅れになるかもしれない」と国際社会に訴えました。