「バフムト包囲」ロシア軍が攻勢強化 全土に空爆も…なぜ今?プーチン大統領の狙いは?
ロシアの民間軍事会社「ワグネル」がウクライナ東部の激戦地「バフムト」を実質的に包囲したと主張しました。ウクライナ全土にミサイル攻撃や空爆を繰り返すなど、ロシアが今、攻勢を強めるワケは…。
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「ワグネル」の創設者が公開した映像には、建物の上で旗を振る兵士に、金管楽器やギターを演奏する兵士の姿も映っていました。撮影されたのは、戦況の焦点となっているウクライナ東部の要衝、バフムト。ロシア軍が東部の支配拡大に向けて攻勢を強めています。
「ワグネル」創設者
「ワグネルは実質的にバフムトを取り囲んでいます。ウクライナに残された道は1本だけです」
これに対して、バフムトで戦うウクライナ兵は「我々はバフムトに立っている。現時点では誰も撤退するつもりはない。バフムトはウクライナだ」と主張しました。
一方、ザポリージャ州では、ロシア軍によるミサイル攻撃が行われました。5階建ての集合住宅にミサイルが直撃し2人が死亡、70人以上が手当てを受けているといいます。
住民
「人々はがれきの下から悲鳴を上げていました。服は今着ているものしかありません。猫はまだ建物に残っていて、生きているかわかりません」
一瞬にして、住む場所を奪われた人々は、バスの中で過ごすことになりました。
ウクライナ軍によると2日、ロシア軍はウクライナ全土に24回の空爆と3回のミサイル攻撃を行ったということです。
侵攻開始から1年が過ぎた今、プーチン大統領が狙っているのは何か、専門家に聞きました。
ロシア政治に詳しい慶応義塾大学 廣瀬陽子教授
「3月末から4月初めにかけて西側が供与した戦車を使って、ウクライナが攻撃してくるかもしれない。入手する前に打撃を与えておくことが必要。『これだけロシア軍は攻勢をみせているんだ』『あと一歩なんだ』とロシア側の戦意をあおるということもある」
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「news zero」の3月の金曜パートナーになった、俳優でモデルの池田エライザさん(26)に聞きました。
日本テレビ・岩本乃蒼アナウンサー
「侵攻から1年、どう見ていますか?」
池田エライザさん
「侵攻が始まった当初は“明日はわが身”だと、時々、すごく胸がグッとなっていたんですけど、これが1年間続いていて、どこかこう普段の仕事を続けていく中で、(感覚が)マヒしてくる部分というか…慣れてきてしまうことに罪悪感を持っているというのが…いまだにどう考えるべきか、着地点が見つからないというのが率直な気持ちです」
岩本アナウンサー
「多くの人が持っている思いだと思いますが、自身の周りではどうですか?」
池田エライザさん
「私の周りには、ロシア人のモデルの友人がいます。その子は日本で育って生活しているんですけど、SNSなどに誹謗(ひぼう)中傷(のメッセージ)が送られてくるということにすごく悩んでいます。そういうのを見ると『どうしよう…』と思うんですけど、その都度その都度、『どうしたらいいんだろうな』と考えていくのが大事なのかなと思います」
(3月3日放送『news zero』より)