金正恩総書記の“肉声”半年ぶりに放送 “戦術核を搭載”新型潜水艦の進水式で演説 北朝鮮
北朝鮮の国営テレビは8日、金正恩総書記立ち会いのもとで行われた潜水艦の進水式を放送、約半年ぶりに金総書記の肉声が公開されました。
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8日午後3時すぎ、北朝鮮の国営テレビ(朝鮮中央テレビ)が放送したのは、到着した軍の船から降りてくる金正恩総書記です。6日に行われた新たな潜水艦の進水式に出席しました。この新型潜水艦について、北朝鮮は “戦術核を搭載できる”としています。
金総書記は麦わら帽子をかぶり、新型潜水艦が海に入る様子を見ていましたが、その際に、海軍の帽子を着用し、はにかむ様子が見られました。帽子を差し出したとみられる幹部らが、一斉に拍手をしています。
式典の演説では、今年2月以来、約半年ぶりに金総書記の肉声も放送されました。
金正恩総書記
「親愛なる同志たち! 今日はわが海軍の武力にとって実に意義深い日です。私たちが作った最初の“戦術核攻撃潜水艦”が祖国の海の青い水に、自分の名前と体をぬらす歴史的な時刻が来ました」
さらに、金総書記は「海軍の“核武装化”を引き続き推進する」と強調。
金正恩総書記
「ここ数十年間、共和国に対する侵略の象徴物とされてきた“核攻撃潜水艦”という手段が、 今や、破廉恥な仇敵(きゅうてき)を恐怖に震え上がらせる“威嚇的”な私たちの力を象徴するようになった」
その上で、原子力潜水艦の導入を目指す考えを示しました。
金正恩総書記
「一挙に、“既存潜水艦の核潜水艦化”を実現しなければなりません」
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翌日の試験航海の日、金総書記は実際に潜水艦の上にのって、満足そうな表情を見せ、チェ・ソニ外相とともに、シャンパン割りの儀式を行いました。新型潜水艦は、日本海を担当する部隊に引き渡されたといいます。
一方、韓国軍はこの潜水艦について「正常に運用できる様子ではない」と分析していて、実戦配備については懐疑的な見方を示しています。
9日は、北朝鮮の建国75周年の記念日です。新型潜水艦を披露することで、軍事力を誇示するとともに、国威を発揚する狙いがあるとみられます。