賛成多数で憲法改正承認…プーチン氏の思惑
ロシアで1日、投開票が行われた憲法改正の是非を問う全国投票は、賛成多数で改正が承認されました。支持率が低下する中、投票を強行した裏側には、プーチン大統領のある思惑がありました。
投票所に姿を見せたプーチン大統領。周りの人全員がマスクをする中、一人マスクをつけず、笑みを見せながら投票しました。
プーチン大統領「ただの憲法改正ではなく、我々が暮らしたい国に投票するのだ」
憲法改正の意義についてこう訴えていたプーチン大統領。こんな具体的な話も。
プーチン大統領「7月までにもう1回、16歳までの子供に1万ルーブルの補助金を支払う」
新型コロナウイルスの感染拡大や経済の低迷で大統領の支持率がかつてないほど下がる中、改正案の目玉となったのは社会保障の充実。国民の要望が多い内容を盛り込んで支持を求める作戦です。
有権者「(憲法改正に)賛成です。プーチンが大統領になって生活がよくなった。これからも続けてほしい」
一方で、新型ウイルス対策を理由に集会を禁止し、改正反対の運動を抑え込みました。
反対派「左派戦線」ウダリツォフ氏「残念だが独裁政権へ進んでいる。2036年、どうなっているのか想像するだけで怖い」
この憲法改正には、プーチン大統領が83歳になる2036年まで権力の座に居続けられる内容も盛り込まれていたのです。
結局、憲法改正は当初の予想を上回るおよそ78%の賛成で承認されました。
さらなる長期政権の足がかりを得たプーチン大統領。今後、北方領土交渉がより厳しくなる可能性もあるなど、体制の引き締めを行っていくとみられます。