ドイツ最大野党提出“移民政策の厳格化”決議案を可決

ドイツの連邦議会で、最大野党の保守政党が提出した、移民政策の厳格化を連邦政府に求める決議案が可決されました。極右政党との協力による可決に対し、与党側は「民主主義にとって暗黒の日だ」と反発しています。
ドイツの連邦議会で29日、最大野党の保守政党「CDU・CSU=キリスト教民主・社会同盟」が提出した、移民政策の厳格化を連邦政府に求める決議案が僅差で可決されました。移民排斥を訴える極右政党「AfD=ドイツのための選択肢」の支持を得たことで、決議案の可決にこぎ着けた形です。
この決議案には、恒久的な国境管理を実施し、移民の受け入れの拒否を可能にするなどといった内容が盛り込まれていて、ショルツ首相は「移民制限計画はEU法に違反する」などと非難しています。
極右政党の支持を受け入れたことなどについて与党側は「民主主義にとって暗黒の日だ」と反発しています。
ドイツでは来月23日に総選挙を控えていて、移民政策が大きな争点となっています。ドイツメディアによりますと、最新の世論調査では今回の決議案を提出したCDU・CSUの支持率が最も高く、極右政党 AfDがそれに続いて2位となっています。
ロイター通信によりますと、CDUのメルツ党首はEU圏内の自由な移動を保障する シェンゲン協定からの離脱を要求していて、首相に選出されれば、就任初日にすべての国境で厳格な入国管理を命じると述べています。ドイツ国内では、先月から相次いで不法移民による襲撃事件が起きており、移民政策への懸念が高まっています。