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露大統領選に「報道の自由」は? “暗殺の標的”か……独立系の記者「選挙なんてない」 「反プーチン」への締め付け強化も

2024年3月16日 12:39
露大統領選に「報道の自由」は? “暗殺の標的”か……独立系の記者「選挙なんてない」 「反プーチン」への締め付け強化も

ロシア大統領選挙の投票が15日に始まりました。5回目の当選が確実視されているプーチン大統領は、関与がささやかれるナワリヌイ氏の急死もあって反対派への締め付けを強化。報道の自由は奪われ、独立系メディアの記者は暗殺や拘束の危険と隣り合わせです。

■初日の投票所で…「プーチンが勝つ」

15日から3日間にわたって行われる、ロシアの大統領選挙。初日の15日午後、モスクワの投票所を訪ねると、透明な投票箱がありました。

――誰に投票した?
「プーチン大統領です。プーチン(が勝つ)と思います」

プーチン大統領は14日、「選挙は未来への一歩だ。選挙への参加は愛国心の表れである」と投票を呼びかけました。

■カリスマ急死で「将来の希望を失った」

5回目の当選が確実視される中、“反プーチン”を掲げる人々への締め付けを強めています。プーチン政権の関与がささやかれているのは、“反プーチン政権のカリスマ”であるナワリヌイ氏の急死です。1日にあった葬儀は大勢の人でごった返し、「戦争反対! 戦争反対!」と声を上げました。10日にナワリヌイ氏の墓地を訪れた市民は「(ナワリヌイ氏の死で)我が国の将来の希望を失った」と嘆きました。

■不可解な体調不良に突然襲われた記者

報道の自由も奪われつつあるといいます。ロシアの独立系メディアの記者として働くエレーナさんは、ドイツ・ベルリンで取材に応じました。「私の記事は新聞のサイトから消され、私は暗殺の標的になっている可能性がありました」と言います。命の危険を感じ、国外に逃げて活動を続ける1人です。しかし、エレーナさんはドイツに移り住んでから約3週間後、異変を感じました。「頭痛がだんだん強くなってきて、視野が狭くなったんです」。突然、不可解な体調不良に襲われ、医師からは『毒を盛られた可能性がある』と指摘されました。

エレーナさん
「ロシアでは今、ジャーナリズムが犯罪になりました。ロシアに選挙なんてありません。あれは選挙ではありません」

■「人を殺さないように貢献したい」

別の独立系メディアの記者、アンナさん(19)にも話を聞きました。2月24日、ロシア国内で取材中に同僚が拘束されました。2月に記者になったばかりの女性が様子を撮影した後、その記者も一時拘束されたといいます。その映像では「どうして彼を捕まえるの?拘束しないで!」と求める記者に対し、「あんたも捕まえるぞ」という言葉が返ってくる様子が映っています。アンナさんは記者をやめることもよぎるといいますが、こう話します。

アンナさん
「私にとって重要なのは、自分が正しいと思う行動をすることです。そして生まれた国が混乱しないように、(ウクライナなどで)人を殺さないように貢献したいです。私は記者を続けていく」

(3月15日『news zero』より)

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