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接種が進む国から探る…加速の“ヒント”

2021年5月25日 18:39
接種が進む国から探る…加速の“ヒント”

ワクチン接種が進む中、未来に向けて「ミンナでふみだす」ために必要なことを考えていきたいと思います。25日のテーマは「接種が進む国からヒントを探る」です。接種が進む国では人々の生活にどんな変化があるのでしょうか。

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アメリカ・ニューヨークでは19日から、飲食店や小売店などに課されてきた人数制限がおよそ1年2か月ぶりに原則撤廃されました。また、ワクチン接種を終えた人は、屋内屋外を問わず、原則、マスクの着用義務が解除に。さらに、ワクチン接種を加速させるため、大胆な策も…。

ニューヨーク市内にあるワクチンの大規模接種会場から出てきた人が見せてくれたのは、なんと「宝くじ」。ニューヨーク州では24日から初めてワクチンを接種した人を対象に最高5億4000万円が当たる「宝くじ」の抽選券を無料で配布。

ワクチン接種を終えた人「40ドル(約4300円)が当たりました。マスク生活に慣れてしまっていたから、少しずつ普通の生活に戻るだろう」「普通に会話ができて、好きな時に好きな場所に行けることがあるべき生活の姿なんです。まずは友人や家族に会いたい。母に会ってハグしたいです」

段階的な規制緩和が進むイギリスでは…ロンドンがあるイングランドで17日から屋内の飲食店のほか、映画館や博物館が営業を再開。屋内の観光スポットも営業が許可され、市内を一望できる観覧車「ロンドンアイ」では景色を楽しむ人の姿も。

さらに、感染状況が落ち着いている一部の国への海外旅行も認められました。

フランスでも19日、レストランやカフェなどの屋外での営業がおよそ半年ぶりに再開。

「とても幸せです。街の様子を見るのはとてもいいですね」

美術館や映画館のほか、すべての商店の営業も認められました。

順調に進めば、イギリスやフランスでは来月には残る規制のほとんどが解除される見通しです。世界各地で戻りつつある「日常」。その背景には、各国で進むワクチン接種がありました。

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ここからは、日本テレビ国際部の大滝公成部長が解説します。

●各国のワクチン接種状況は?

――日本では出遅れたワクチン接種ですが、海外ではどの程度進んでいるのでしょうか?

政府は1日100万回という目標を掲げていますが、各国でどのくらいの数、接種しているかというと、最も多い時でアメリカが1日に430万回、イギリスが84万回となっています。日本も50万回ぐらいまで伸びてきていますが、イギリスは人口が日本の半分くらいですから、かなりの数といえます。


●ワクチン接種が進む国の特徴は?

――イギリスで接種が進んでいる背景はどういったところにあるんでしょうか?

接種が順調に進む国には特徴があります。

(1)ワクチンの早期確保
(2)既存システム活用、体制構築
(3)リーダーシップ、自治体と意思疎通
(4)一定の融通性

逆にこうしたことがうまくいっていない国は苦戦しています。イギリスでいいますと「(2)既存システム活用、体制構築」なのですが、国営の医療組織が司令塔となり、早くから打ち手が足りなくなることを想定して動いていたんです。

イギリスはワクチンが承認される前の去年10月の段階で法律を改正し、准看護師や薬剤師のほか、学生までも訓練した上で接種できるようにしていました。

●接種の出遅れをどう挽回?

一方で、フランスやドイツは最初は接種回数が伸びず苦戦しました。ワクチンがなかなか確保できなかったことが最大の原因ですが「予約が取りづらかった」、「政府と自治体のコミュニケーションがうまくいっていなかった」など、態勢が硬直化しているという批判がありました。

そこで、フランスでは消防士を打ち手に加えたり、ドイツは1回目と2回目の接種の間隔をフレキシブルにして予約を取りやすいようにしたりして改良を重ねたこともあり、接種数が伸びてきているんです。

●日本もワクチン接種を加速するためには?

日本も接種を加速するために、こうした良い例を時間をかけずに導入する、そして、自治体任せにせずシステムを国主導で作っていくこと、その上で批判を恐れるのではなく現場で判断できる融通性を持たせることが求められると思います。

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