ワクチン接種“促進” 自治体の取り組み
感染を収束させるために期待されるワクチン。接種の促進に向けた自治体の取り組みを取材しました。
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19日午前。あいにくの天気の中、多くの人が待ちわびていたのは…
「3、2、1、オープン!」
埼玉県にある「西武園ゆうえんち」が、およそ半年ぶりに19日、リニューアルオープンしました。入り口で消毒を行い、スタッフ全員がPCR検査を受けるなど、感染対策を行っているといいます。
改修におよそ100億円かけたという園の中は、ポン菓子の実演販売や路上で紙芝居を行うなど、1960年代の昭和のレトロな街並みを再現。
来園客
「スタッフさんも含めて、みんなマスクもしているし、手指消毒とか体温検査とかもしていたので(気にならなかった)」
園がある所沢市は“まん延防止措置”が適用されているほか、緊急事態宣言中の東京都にも隣接していますが、「少しでも元気と笑顔を提供したい」との思いで、19日のオープンに踏み切ったということです。
こうした中、感染を収束させるために今、期待されるのがワクチン。
看護師
「ちょっとチクッとしますね。手先しびれないですか?」
神奈川県横須賀市では百貨店の空きフロアを使い、80歳以上の高齢者への集団接種が行われていました。
接種した人
「ちょっとチクッとしたくらいでそんなに痛くはないね」
17日から始まったという百貨店での集団接種。ワクチンの接種率向上などを狙って、ある取り組みが行われています。
横須賀市健康部・保健所健康づくり課 長谷川淳課長
「この裏に接種済み証をはり付ける形になっています」
接種後に渡される証明書。特製のケースに入れ、会場の百貨店で提示するとさまざまなサービスなどが受けられるといいます。ワクチンを接種した男性が妻と一緒に向かった先は食品コーナー。
接種した人の妻
「これ?(証明書)」
販売員
「はい、こちらです、大丈夫です」
10パーセント増量のつくだ煮を通常と同じ値段でお得に購入することができました。
Q.サービスを受けてみて、どうでした?
サービスを受けた人
「よかったんじゃない」
ワクチン接種を進めるため、自治体ではこんな工夫も…
横浜市健康福祉局 藤井舞さん
「こちらがワクチン専用のAIチャットボットになります」
横浜市が導入したのは、AIがワクチンの疑問に自動で回答するサービス。ネットやLINEから誰でも24時間利用できるといいます。
横浜市健康福祉局 藤井舞さん
「(さまざまな疑問に)答えられるように作っていきたいと思います」
東京都・墨田区役所では…
「はい。ワクチン担当でございます」
電話が鳴りやまないワクチン担当の部署。そんな中、担当者が開いていたのはSNSの画面です。
墨田区役所・新型コロナウイルス予防接種調整担当 菅沼竜一主査
「クリニックの方から予約枠の空き状況をいただいたので、ツイッターの配信とフェイスブックの配信の準備をしています」
区内のクリニックでワクチン接種の予約枠に空きが出たという情報をSNSに投稿。
墨田区では先週から、クリニックや病院などで予約に空きが出た場合に、SNSやメールでその情報を発信しているのです。
墨田区役所・新型コロナウイルス予防接種調整担当 岩瀬均次長
「実は近くのクリニックで予約ができるとか、予約の枠がまだあるとか、そういう情報というものは、自分たちでは情報が入りづらい」
ワクチン接種を効率的に進めることで、希望者が1日でも早く接種を終えられるようにしたいといいます。
ワクチン接種が徐々に広がる一方、いまだ続く“緊急事態宣言”。
19日、都内の小学校では、春の“体育発表会”に向けた練習が行われていました。児童たちは感染防止のため、一定の間隔を保ち、本来出す“かけ声”も控えて練習に励んでいました。ただこの学校では、感染対策のため、紅白に分かれて競う“運動会”ではなく、規模を縮小した発表会形式にしました。
さらに…
練馬区立北町小学校 田村亜紀子校長
「緊急事態宣言が明けると想定される6月に延期しました」
当初は今月末の開催を予定していましたが、“緊急事態宣言”の影響で来月1日に延期。去年は秋に延期しただけに、気になるのは緊急事態宣言の行方ですが…
練馬区立北町小学校 田村亜紀子校長
「秋は本校の場合、移動教室がたてこむんですね。体育発表会をそこ(秋)に持って行くことはできないと判断した」
宣言が解除されなくても中止や延期はせず、保護者を呼ばず無観客で行う予定だということです。