インドネシアで人気グループ商品めあて密集
世界各地で、感染拡大を防ぐ取り組みが続いています。こうしたなか、インドネシアでは、ある人気グループの商品めあてに店への注文が殺到し、人だかりができるなどして店が一時休業に追い込まれました。海外でのコロナをめぐる最新の動きです。
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■アメリカ 料理を入れる容器のコストなどが高騰
(アメリカ感染者 3342万6426人
死者 59万8748人
※米ジョンズ・ホプキンス大 11日午後5時時点)
3300万人以上が感染したアメリカ。ワクチン接種が進み、各地で経済活動が一気に再開するなか、気になる現象も起きています。
ニューヨーカーがランチを買い求めるキッチンカーが立ち並んでいますが、お店のメニュー、張り紙をして、すべての商品が値上げされています。
店で定番のポーランド料理のランチセット。3か月ほど前から2ドルほど値上げしたといいます。
「前はこのような容器120個は16ドル(約1700円)で買えたのに、今は50ドルぐらい(約5500円)払っている。 すべてのモノで値段が上がっています」
料理を入れる容器のコストなどが高騰し、商品の値上げに踏み切らざるを得なかったといいます。実は10日に発表された5月の消費者物価指数が、前の年の同じ月から5.0%上昇。12年9か月ぶりの高い伸びとなりました。
日本の食材を扱うお店でも、輸送コストが跳ね上がったことで仕入価格が高騰。ほぼすべての商品を少しずつ値上げしているといいます。
NYの日本食材店・マネジャー「このあとも夏前に(値段が)上がるという話がどんどん出ている状況です」
経済活動の再開に伴って、モノやサービスの需要が急激に拡大する一方で、人手不足などの影響で供給が追いついていないことが物価高騰の一因だとも指摘されています。
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■インドネシア 人気グループ商品めあて密集
(インドネシア感染者 188万5942人
死者 5万2373人
※ジョンズ・ホプキンス大 11日午後5時時点)
東南アジアで最も感染が深刻な国の1つ、インドネシア。感染者数が188万人を超えています。感染対策が求められるなか、首都ジャカルタのある店には、大勢の人が殺到。
「どうか皆さん一列に並んで一人ずつ入ってください。ソーシャルディスタンスを保ってください」
ここは、マクドナルドの店舗。商品を受け取りに来たデリバリースタッフが感染対策を無視して密集していたのです。その理由は。
デリバリースタッフ「マクドナルドのBTSメニューを買うように注文されたんだ」
世界的に人気のある韓国の7人組グループ「BTS」。インドネシアでも注目されていて、マクドナルドが9日、BTSとのコラボレーションセットを販売したところ注文が殺到しました。
ジャカルタの店舗では何時間も待たされたデリバリースタッフが当局に詰め寄るなど、混乱状態に。一時、店舗を閉鎖する事態となりました。
新型コロナウイルスの感染が拡大する恐れから、地元当局は市内の少なくとも20店舗に一時休業を命じたということです。
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■レソト 空飛ぶ医師、山間部の集落にワクチンを
(感染者 1万 846人
死者 326人
※米ジョンズ・ホプキンス大 11日午後5時時点)
1万人以上が感染したアフリカ南部の小さな国、レソト。国民のおよそ200人に1人の割合で感染が見つかっています。
そのためワクチン接種を急ぐ必要がありますが、山間部に位置し、国土のほとんどが山や丘のため容易ではありません。
こうしたなか、移動手段として使われているのが小型の飛行機。「空飛ぶ医師たち」が飛行機で山間部の集落にワクチンを届け、訪れた先で住民にワクチンを接種しているのです。
住民「接種を待ち望んでいたんだ」
医者「多くの人が亡くなっていますから、早く対応しなければなりません」
AP通信によりますと、アフリカ大陸では人口のわずか2%しか接種していないということで、地道な努力が続いています。
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■香港 医療用の人型ロボット登場
(香港感染者 1万1875人
死者 210人
※衛生当局 11日)
同じく1万人以上が感染した香港。「こんにちは皆さん。私はグレースです」と話すのはなんと、ロボット。高齢者や新型コロナで隔離される人たちと接触するためにつくられた医療向けの人型ロボットです。英語や北京語、広東語での会話が可能で、さらに。
グレース「会話中に、胸に設置されている小さい赤外線カメラで体温と脈拍をはかります」
AI(=人工知能)を使って患者の健康状態を測定することも可能だといいます。今後、このロボットのサンプル版を大量生産する予定だということで、来年は中国本土や日本にも売り込みたいとしています。