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身の危険感じイスラエル移住…あるユダヤ系住民の決断

2024年4月3日 6:13

パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘が長引く中、世界各国で、「反ユダヤ主義」が広まりつつあります。ユダヤ人を標的にした暴行事件などが起きていることを受けて、イスラエルへ移住した家族を取材しました。

イスラエル軍とイスラム組織ハマスのガザ地区での戦闘が長引いていることなどを受けて、人権監視団体によりますと、世界各国で「反ユダヤ主義」が広がっていて、ユダヤ系住民を標的にした嫌がらせや暴行事件などが増加しています。

安全への不安などから、ハリエットさん一家は、先月、オーストラリアからイスラエルへと移住しました。

移住前には、ユダヤ系住民の住所などが書かれたリストがネット上に公開され、嫌がらせが頻発していたといいます。

イスラエルに移住したハリエットさん
「私がユダヤ人だという、ただそれだけで、家族と一緒に外を出歩けなくなってしまった」「私たちは故郷だと思っていたものを失いました」

去年10月から先月までの間に、8000人以上のユダヤ系などの住民がイスラエルへと移住しています。また、年内にはおよそ10万人が移住するという推計も出るなど、ユダヤ系住民の移住が加速しています。

一方で、娘のドゥボラさんは、移住後に複雑な心境で過ごしているといいます。

イスラエルに移住したドゥボラさん
「オーストラリアに友達がいるので、向こうに行きたいです。でも一方で、ここではユダヤ人に憎しみを向けられることはないので、住み続けたいとも思う」