韓国“福島食材”懸念 独自の給食センター
韓国の大韓体育会は、東京オリンピックに出場する韓国の代表選手に福島県産の食材が提供されることを懸念し、18日から近隣のホテルで独自の給食センターを運営します。また、物議を醸した選手村の“抗日英雄”の横断幕は撤去されました。
■福島県の食材懸念 独自の給食センターを運営
韓国メディアによりますと、給食センターは千葉・浦安市内のホテルを貸し切り、18日から本格的な運用が始まります。
韓国から調理師や栄養士らが派遣され、1日あたり420食分の弁当を作り、競技会場などに運ぶということです。キムチなどは韓国から持ち込むほか、日本で調達する食材については、セシウムなど放射性物質の検査を行うとしています。
福島第一原発の事故後、韓国は、福島県など8県の水産物の輸入を禁止し、原発処理水の海洋放出の方針にも強い懸念を示しています。
■選手村の“抗日英雄” 横断幕は撤去
また、韓国の選手団をめぐっては、東京・晴海の選手村のベランダに、豊臣秀吉の朝鮮出兵で日本からの兵と戦い、「抗日の英雄」とされる李舜臣(イ・スンシン)将軍の言葉をアレンジした横断幕が掲示され、物議を醸していました。
大韓体育会によりますと、IOC(=国際オリンピック委員会)は16日、「横断幕の文面は戦闘に参加した将軍を連想させ、オリンピック憲章第50条に違反する」として、撤去を要請。
これに対し、韓国側は、IOCに競技場内での「旭日旗」を使った応援について問題を提起しました。
最終的に、大韓体育会は「IOCが旭日旗の使用についても、オリンピック憲章第50条の適応を約束した」として、選手村の横断幕の撤去に応じたということです。
横断幕には李舜臣(イ・スンシン)将軍が日本からの兵を迎え撃った際の「臣には、まだ12隻の船が残っています」という言葉をアレンジし、「臣には、まだ5000万の国民の応援と支持が残っています」と書かれていました。
韓国のオリンピック選手団は、19日から本格的に日本入りする予定ですが、大会前から日韓の懸案が表面化した形です。
また、検討が進められているオリンピック開会式にあわせた文在寅大統領の訪日についても、首脳会談の条件をめぐって日韓両国の協議が難航し、いまだ結論は出ていません。