タリバンから“死刑宣告”男性が語る恐怖
アフガニスタンで、日本のJICA(=国際協力機構)のプロジェクトに関わった現地の男性のもとには、先月、タリバンから死刑を宣告する脅迫文が届いたといいます。男性がNNNの取材に対し、その恐怖を語りました。(NNNバンコク支局平山晃一)
■“外国と接点”タリバンの脅威にさらされている
私は2019年までの2年間、アフガン政府の職員の人材育成を目的にしたJICA(=国際協力機構)の現地プログラムに参加し、日本での研修にも参加しました。
タリバンのカブール制圧後、外国と接点があった私たちは、ずっと脅威にさらされています。私のところにはタリバンから脅迫文が届いたのです。
■“死刑宣告”の脅迫文その内容とは
脅迫文が届いたのは、タリバンがカブールを制圧してから2日後の先月17日のことでした。カブールに来る予定だった地元の知人がタリバンに車を止められ、私に渡すように指示されました。
「あなたは複数回にわたって、警告を受けたにもかかわらず、数年間スパイとして働いてきた。罰として死刑が宣告された。どこに行っても、死を迎え入れなければならない」
このように書かれていました。
■「生きていると実感できない」
状況は、言葉では言い表せないほど悪いものです。1秒たりとも生きていることを実感できません。家から出られず、囚人のように、暮らしています。
本当につらいです。家族の将来が不安で、ふさぎ込んでいます。私たちは、外出もできず、仕事も買い物にも行けません。
米軍撤退後、アフガンの状況は悪化すると思います。先行きは不透明で、あす何が起こるかも分かりません。国外に退避したいですが、どうすればいいのか分からず、いまはただ、外国に行ける日を待ち続けているだけです。
「アフガンからの声♯1」